パワーカップルも断念 高すぎるマンション「医者でも買えない」

毎日新聞 2025/3/18 07:00(最終更新 3/18 07:00) 有料記事 2861文字
大規模マンション群「晴海フラッグ」=東京都中央区で2023年10月19日午後2時半、本社ヘリから渡部直樹撮影

 住宅地の地価が上昇している。背景にあるのは、マンション価格の高騰だ。都心では新築マンションの平均価格が1億円を超え、高年収の共働き夫婦「パワーカップル」でも高すぎて買えず、戸建て住宅にシフトする動きも目立ってきたからだ。一体、何が起きているのか。

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「調べる間に上がる」

 3月上旬、東京都大田区の閑静な住宅街の一角に、完成間近の2階建て分譲住宅が6棟並んでいた。入居予定者が内装や設備など引き渡し前の最終チェックに訪れていた。

 月末に入居する予定の男性会社員(33)は「結婚したので家を探していた。学校も近く、子育てしやすい環境なので10年以上は住むと思う」と笑顔を見せる。

 一方で、「豊洲のタワーマンションはちょっと買えないな、と。(マンション高騰は)めっちゃむかつきます」と本音を漏らす。

 男性は現在、江東区の豊洲地区の賃貸マンションに住んでいる。銀座まで自転車で行ける好立地に加え、再開発で新しい商業施設が次々とオープンする街に住むのが楽しく、周辺の分譲マンションを探していた。

 妻(30)と共働きで、世帯収入は1400万~1500万円ほど。しかし、気に入ったマンションは1億円を超える物件ばかりだった。

 「3LDKのマンションを買えればベストだったが、結構厳しい。調べている間もどんどん上がっていく」。現在住んでいる賃貸も管理会社から、契約更新のタイミングで「家賃を4万円上げたい」との書面が届いた。

 東京オリンピック・パラリンピック選手村跡地を改修したマンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」にも応募したが、落選した。高層マンションが林立する川崎市の武蔵小杉駅周辺の中古マンションにも何度か申し込んだが、抽選で外れた。

 新居の予算は…

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