石破首相、日米関税交渉合意で成果強調 自動車・相互関税15%
石破茂首相は23日、米国の相互関税について「25%まで引き上げるとされていた関税率を15%にすることができた」と記者団に対し述べた。18日代表撮影(2025年 ロイター)
[東京 23日 ロイター] - 石破茂首相は23日、米国との関税交渉で「相互関税」を15%にする合意をまとめたことについて「対米貿易黒字を抱える国の中で、これまでで最も低い数字」と成果を強調した。日本側が最重視した自動車関税も15%となり、「世界に先駆け数量制限のない関税引き下げを実現できた」と語った。
自動車・自動車部品への関税は4月以降課せられていた25%の追加関税を半減。それに既存の税率である2.5%を合わせて計15%とする。また、25%まで引き上げるとされていた「相互関税」は15%にとどめた。
米国産のコメの輸入は、既存のミニマムアクセス(最低輸入量)の枠内で輸入量を増やす。首相は「今般の合意には、農産品を含め日本側の関税を引き下げることは含まれていない」と説明。国内農業を犠牲にするというようなことは一切ないとした。
半導体や医薬品、鉄鋼、 造船、重要鉱物、航空、エネルギー、自動車、AI(人工知能)・量子など経済安全保障上重要な分野について強靭なサプライチェーン(供給網)構築のため、日米で緊密に連携することでも合意した。日本企業が関与する医薬品や半導体などの対米投資促進に向け、政府系金融機関が最大5500億ドル規模の出資・融資・融資保証を提供できるようにする。
首相は、これらの成果は「関税より投資」と一貫して米国に対して主張し、働きかけを強力に続けてきた結果だと強調。今後、各品目の関税率について全国約1000カ所の特別相談窓口で答えられるよう措置を講じるとともに、中小企業の資金繰り支援に対応すると語った。
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