トランプ政権、関税の基本税率15%に引き上げも-ゴールドマン予測
- 基本税率は現行10%から引き上げ、銅や重要鉱物に50%の関税を予想
- 2025年のコアインフレ率、前年比3.3%見込む-経済成長率は1%に
米ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは米国の上乗せ関税について、基本税率は現行の10%から15%に引き上げられ、銅や重要鉱物には50%の関税が課されるとみている。予想通りなら、インフレ加速や経済成長の鈍化につながる可能性がある。
同行は、新たな関税率想定とその影響に関する「初期の知見」を反映させるため、米国のインフレ率および国内総生産(GDP)伸び率の予測も修正した。米国担当チーフエコノミスト、デービッド・メリクル氏が週間リポートで明らかにした。
「関税に関するこれまでの主な知見では、消費者物価への転嫁が2019年時点よりもやや抑えられている」とし、「まだ転嫁の程度を推定するのは時期尚早だが、最終的にどれほど値上げする計画かを企業に尋ねる調査でも、前回より低い転嫁が示されている」とした。
これを踏まえ、ゴールドマンは25年のコアインフレ率予想を前年比3.3%と、従来の3.4%からに引き下げた。一方、26年は2.7%、27年は2.4%を見込み、従来予想の2.6%と2.0%から引き上げた。同氏によれば、関税は今後2-3年でコアの物価を累計で1.7%押し上げる見通しだ。
同行の推計では、関税によるGDP伸び率の押し下げ効果は今年が1ポイントで、26年と27年はそれぞれ0.4ポイント、0.3ポイント。この結果、25年は1%成長になるという。
ゴールドマンはまた、26年には大型トラックと航空機への分野別関税が導入されると想定。医薬品の関税引き上げは26年の中間選挙後にずれ込むと予測している。
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原題:Goldman Sachs Sees Trump’s Baseline Tariff Rate Rising to 15%(抜粋)