話題株ピックアップ【夕刊】(1):トヨタ、日経レバ、山岡家

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■トヨタ自動車 <7203>  2,854.5円  +358 円 (+14.3%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位  トヨタ自動車<7203>やホンダ<7267>、日産自動車<7201>が大幅高。SUBARU<7270>やマツダ<7261>、三菱自動車工業<7211>が急騰。トランプ米大統領が自身のSNSにおいて、日本との関税交渉に関し、大規模な合意に達したと表明した。相互関税を15%とするほか、日本は米国に対して5500億ドルの投資を実施する。更に、自動車やトラック、コメや農産物について日本が市場開放に踏み切るという。自動車などの分野別関税の扱いについての言及はなかったものの、相互関税が25%の予定から15%に引き下げられる格好となり、株式市場はポジティブな反応をみせている。なかでも自動車株に対しては、関税引き上げシナリオが後退したとの受け止めもあって、買い戻しの流れが強まったようだ。東証の業種別指数で輸送用機器は上昇率でトップとなった。

■日経レバ <1570>  29,230円  +2,030 円 (+7.5%)  本日終値

 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急騰。参院選後は米国との関税交渉に焦点が当たっていたが、米国時間22日にトランプ米大統領が自身のSNSで日本への相互関税を15%にすることを発表したことを受け、リスクオン相場が一気に加速する格好となった。日経レバは日経平均に連動する仕組みに組成されたETFで価格変動率が2倍に基本設定されているのが最大の特長。きょうは個人投資家を中心とした短期値幅取り狙いの動きが顕在化した。ここ信用売り残が増加傾向にある一方、信用買い残の整理が進み、直近の信用倍率は1.19倍と拮抗していたこともあって、ショート筋の買い戻しの動きを誘発する格好となった。

■丸千代山岡家 <3399>  6,580円  +380 円 (+6.1%)  本日終値

 丸千代山岡家<3399>は大幅続伸。約1カ月ぶりに上場来高値を更新した。22日取引終了後に株式分割を実施すると発表。8月31日を基準日として1株を2株に分割するとしており、材料視した買いが入った。これに伴い26年1月期配当予想を年6円から年3円に修正したが、実質的な変更はない。また、株主優待については保有株式数に応じた区分を従来の4つから5つへ増やす(「200株以上500株未満」を新設)。株式分割後の来年1月分から変更を適用する。

■三菱UFJ <8306>  2,097.5円  +97.5 円 (+4.9%)  本日終値

 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>が堅調推移。りそなホールディングス<8308>が大幅高となった。トランプ米大統領が日本時間23日朝、日米両国が関税交渉で合意に達したと表明した。日本国内では生鮮食品を除くコアベースでの消費者物価指数(CPI)が3%を上回るレベルでの推移を続けているものの、日米関税交渉を巡る不確実性から利上げに積極的になれない状況となっている。日米貿易協議が一区切りをつければ、日銀は利上げに踏み切りやすくなるとの思惑もあって、大手行を中心に利ザヤ改善を期待した買いが断続的に入った。

■日揮ホールディングス <1963>  1,336.5円  +57.5 円 (+4.5%)  本日終値

 日揮ホールディングス<1963>は3日ぶり反発。日本との関税合意を22日に明らかにしたトランプ米大統領が同日、アラスカのLNG(液化天然ガス)開発で日本と合弁事業を立ち上げると発言したことが伝わった。これを受け、LNG関連株の一角であるプラント大手の日揮HDをはじめ、千代田化工建設<6366>、東洋エンジニアリング<6330>に思惑的な買いが入ったようだ。

■カネカ <4118>  4,250円  +171 円 (+4.2%)  本日終値

 カネカ<4118>が続伸。今朝の日本経済新聞電子版が「経済産業省は次世代太陽電池の開発支援の対象を広げる」と報じており、なかで「軽くて曲がる『ペロブスカイト』と太陽光パネルなどを重ねて発電効率を1.5倍程度に高める製品を加える」としたことで、「ペロブスカイト/結晶シリコン」のタンデム型太陽電池の開発を進める同社に思惑的な買いが向かったようだ。また、この報道を受けて、K&Oエナジーグループ<1663>や伊勢化学工業<4107>、積水化学工業<4204>など他のペロブスカイト太陽電池関連銘柄も堅調な動きとなっている。

■コメリ <8218>  3,100円  +85 円 (+2.8%)  本日終値

 コメリ<8218>は急反発。同社は22日の取引終了後、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表した。売上高が前年同期比1.7%増の1092億5300万円、営業利益が同5.8%増の100億700万円、最終利益が同4.9%増の68億8200万円だった。通期の計画に対する最終利益の進捗率は47.1%に上り、買いが集まった。コメリはホームセンター1229店舗(6月末時点)を展開している。4~6月期は主力カテゴリーである農業資材などの販売が堅調に推移した。加えて、6月は気温が高く、冷房用品や遮光用品の販売が伸長。熱中症対策の義務化によりファン付きウェアが好調に推移した。

■東芝テック <6588>  3,040円  +74 円 (+2.5%)  本日終値

 東芝テック<6588>が反発。この日、企業向け生成AI活用支援サービスを25年度中に提供開始すると発表したことが好感された。同サービスは、生成AIの導入に悩む企業に対して、基礎知識の習得から業務課題の可視化、ソリューションの具体化、PoC(概念実証)の実施、更に運用体制の構築までを一貫して支援する伴走型サービス。これにより、企業が生成AIの活用を通じた業務の効率化やサービス品質の向上を実現し、持続的な成長を図ることが可能になるようサポートするという。

■西松屋チェーン <7545>  2,166円  +42 円 (+2.0%)  本日終値

 西松屋チェーン<7545>が反発。22日の取引終了後に発表した7月度(6月21日~7月20日)の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比3.3%増と、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。気温の高い日が続いたことで、夏物衣料の売り上げが好調に推移した。また、育児・服飾雑貨も伸長した。なお、全店売上高は同7.0%増だった。

■栗本鐵工所 <5602>  6,930円  +120 円 (+1.8%)  本日終値

 栗本鐵工所<5602>が高い。午後3時ごろ、9月30日を基準日として1株を5株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。 株探ニュース

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