エヌビディアCEO、18日に注目の基調講演-株価の回復続くか左右

エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が18日、年次開発者会議「GTC」で基調講演を行う。フアン氏の講演は、人工知能(AI)ブームによるエヌビディアの快進撃がピークに達したとの懸念を払拭(ふっしょく)できる機会になり得るとみられており、注目が集まっている。

  投資家にとっての関心は、次世代AI半導体「ブラックウェル」や粗利益率、中国事業、競合勢や成長見通しに関する発言だろう。

  ウェイブ・キャピタル・マネジメントのチーフストラテジスト、リース・ウィリアムズ氏は「エヌビディアを巡る懸念は、利益は今がピークで、今年下期は同社の見通しほど良好ではないのではないかというものだ」と指摘。「フアン氏が講演を通じて、事業は順調で歯車が狂うことはないとの一定の安心感を提供できるかもしれない」と述べた。

Stock had been beaten down in a broader market selloff

Source: Bloomberg

  エヌビディア株価は3月の安値からは持ち直したが、年初来ではなお9%余り下落している。ブルームバーグのデータによると、エヌビディアのバリュエーションは過去5年の最低水準に近づいており、押し目買いを入れる動きも出始めた。

  マップシグナルズのチーフ投資ストラテジスト、アレック・ヤング氏は「市場はエヌビディア株に非常に懐疑的だ」と話す。その上で、売上高の見通しが高いことも踏まえ、現在のバリュエーションは「成長が実現しないと市場がみている」ことの表れだと指摘した。

  一方で、エヌビディアがAIチップで支配的な地位を占めていること、さらに今年巨額のAI投資が予想されていることから、足元の低迷は一時的なものに過ぎない可能性もある。

  ノースウェスタン・ミューチュアル・ウェルス・マネジメントの株式ポートフォリオマネジャー、マット・スタッキー氏は、エヌビディアの株価が数年前に現在のバリュエーションで取引されていたなら、今よりも下落リスクが大きかっただろうと話す。

  エヌビディアがガイダンスを達成できれば、株価を再び押し上げるチャンスがありそうだ。具体的には、ブラックウェルに関する堅調な業績、粗利益率の回復、年内の需要を示唆する力強い見通しが含まれる。

  前出のウェイブ・キャピタルのウィリアムズ氏は「エヌビディアが有言実行できれば、これは買いの好機だと裏付けられるだろう」と述べる。

原題:Nvidia Investors Look to CEO Keynote to Keep Rebound Going(抜粋)

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