令和のいまこそ超手軽にフィルムで思い出を!新サービス「写ルンです+」の功罪
1周回ってカッコいいかも!
すっかりスマホで写真もムービーも撮るのが当たり前になりました。だからこそ、フィルムカメラで残す写真の希少価値がアップしていたりするかもしれません。
本格的なカメラなんて手元になくても、ちょっぴりお金をかければ、フィルムでの写真撮影のよさを体験できる富士フイルムのアプリ「写ルンです+」には、魅力も要改善ポイントと思える部分も多々という感じでしたね…。
レトロな撮影体験に戸惑う…
昔はコンビニとか駅の売店とか、どこでも手に入ったようなイメージがある「写ルンです」のインスタントカメラ。令和の現在、まずは購入するところから、ここまで苦労するとは思いもしませんでした。ネットショップでポチるのは別にして、いまどこのドラッグストアやコンビニでも、そう簡単には見つかりません。
あとせっかく見つかっても高いです。繰り返された値上げで、本体を入手するだけで3000円近くかかります。
Image: 湯木進悟最近の子どもたちは、公衆電話を見て、あれなに? どうやって電話かけるの? そう尋ねるケースが多いそうですね。きっと写ルンですを目にしても、これでどうやって写真が撮れるの? そんな素朴な疑問が飛び出すのでしょう。
久しぶりに使ってみて、まずシャッターボタンを押して撮影する感覚に慣れが必要でした。しっかり脇をしめて構える姿勢でないと、シャッターを押した瞬間にカメラ本体が下がってしまい、すべて手ぶれ状態になってしまいかねませんから。
Image: 湯木進悟たとえ、あっ、いまの写真は失敗したかな? そんな撮影シーンがあったとしても、どんな写真が撮れたか、その場で確認する術はありません。すべて撮りきってから、写ルンです+のアプリで現像を注文し、宅急便コンパクトの専用ボックスで発送して戻ってくるまで、その写りを見ることは絶対できませんよ。
いつもスマホの画面で、すぐに撮った写真が見れている便利さを味わえない感覚を強制されるのが、メリットでもあり、デメリットでもありでしょうか。思い出は後からしか振り返れないことを思い知らされます~。
Image: 湯木進悟27枚の写ルンですでの写真撮影が、本当に最後まで終わってから、「写ルンです+」の出番がやってきます。写ルンです+は、写ルンですで撮った写真をデータ化・スマホで閲覧できるようにするアプリです(iOS/Android)。
いつもなら、スマホで撮った写真をチェックしては加工したり、友だちとシェアしたり、そういう時間を出先で奪われていたのに、撮り終わるまで、完全に脇に置いておける感覚は、意外と新鮮だったり?
写真を撮るとき以外、写りを気にしなくてよいことが快適に感じられるようになってくるかもしれません。
Image: 湯木進悟写ルンです+で現像して写真データを受け取るには、一律2420円の利用料金がかかります。基本的には送料込みのサービス(写ルンです送付のための箱代のみ別途かかります)で、写ルンですを送れてデータ化も完了してもらえますが、写ルンですの本体購入にお金がかかっているので、割高に思えるのは否めないでしょうか?
Image: 湯木進悟なにはともあれ、アプリだけで発送依頼から現像写真のデータ受け取りまで完結する便利さは、昔の写ルンですにはなかったものです。コンビニから送ったら、あとはできあがり通知を待つのみですね…。
現像されたレトロ写真に驚く!
5日ほどして、メールとアプリの通知で、無事に現像が終わってデータ化が完了したことを知らされます。ちなみに60日以内に、アプリから全写真データをダウンロードして受け取る処理が必要ですけど、これだけ余裕があれば、まず問題にはならないでしょう。
発送さえ終えれば、あとは世界のどこにいても現像された写真データを受信できるというサービスは、なかなかよいものですよね。
Image: 湯木進悟アプリで写真データを受け取ることを選択すると、わずか数十秒で処理は完了します。ちょっとあっけないような気も…。
Image: 湯木進悟受け取った写真は、すべて撮影順にアルバム形式で整理されており、簡単にアプリ内で見られるようになっています。ただし、現像された日付で丸ごとまとまっているため、いつもならスマホの写真は1枚ごとに、正確な撮影時刻と場所まで記録保存されていっていることとのギャップを感じるでしょう。
Image: 湯木進悟なによりも多くの写真が暗いことに驚くはずです。左が写ルンです、右がiPhone SE(第3世代)での撮影ですけど、こんなにも同じ場所で同じ時間に同じものを撮って、明るさに差が出るものなんですね。
Image: 湯木進悟写ルンですが得意とするのは、天気のいい日の昼間の屋外での撮影。いずれも写ルンですで撮られた写真ですが、晴れていたら、まずまずの明るい写りになります。
Image: 湯木進悟もし屋内で撮る場合は、フラッシュ撮影が必須。左は写ルンですのフラッシュ発光によって撮られた写真なのに対し、右はiPhone SE(第3世代)のフラッシュなしで撮られたものです。いつのまにかボクらはスマホで自然と明るい写真が撮れることに慣れてしまってたんですね。
Image: 湯木進悟フラッシュが届くのは最大でも3mまでの距離とされています。夜間に写ルンですで撮影するのは、もしかするとヤメておいたほうがいいかも? 右のiPhoneで撮られた写真と比べると、左は失敗作?
残念ながら、できあがってきた写真にはガッカリするものが、必ずや何枚か含まれていることでしょう。
令和に写ルンですを使う意義
写ルンですを求めて街へ繰り出したものの、なかなかどこにも見つからなかったり、せっかく販売コーナーまでは見つけても売り切れだったりしたのは、ちょうど小中学生の修学旅行シーズンだったことと関係があるかもしれません。いまでも学校にスマホを持ってくるのは許可されておらず、旅行中にスマホでパシャパシャと好きな写真を撮ることはできない…でも、インスタントカメラならいいよってルールのところは多いらしく、実はニッチな需要がいっぱいありそう。
Image: 湯木進悟スマホなし、カメラなしの子どもたちであっても、写ルンですさえ持っていって写真を撮ってくれば、あとですべての写真がデータ化され、スマートフォンやタブレットに入ります。そうして手元の画面で見れる写真は、メールやLINEでシェアすることも、ブログやSNSへアップすることも可能。編集加工して、もっと映える写真に仕上げていくことだってできます。写ルンです+により、家にいながら現像からデータ受け取りまでできるようになった意義は大きいのでは?
Image: 湯木進悟プラス料金はかかるものの、そのままプリントされた紙の写真も届けてもらうサービスまで用意されています。こちらもわざわざ店まで取りに行く手間が省けて、やっぱり忙しい毎日なので便利に感じましたね。
Image: 湯木進悟データで写真を受け取るより、さらに数日遅れで、今度はプリントされた写真がポストに届いていました。もしや写ルンですの最大の魅力って、できあがったものを紙の写真で見ること? 先ほどの暗くて失敗作に思えた写真すら、プリントされると、なんだか味わいのある撮影に感じられるのが不思議なところでしょうか?
Image: 湯木進悟写ルンですは、スペック的にISO400の135フィルムを使用したものです。30年近く前、デジタルカメラが200万画素だったころのレベルの解像度になるでしょうか。
良い意味でも悪い意味でも、レトロで渋い写りのものばかり撮れます。「お金をかけたうえで、この出来栄え」をどのように評価するかが、写ルンです+のアリナシの分かれ目になるでしょうかね~。
Image: 湯木進悟写ルンですでフラッシュ撮影をするには、まずフラッシュボタンをオンにスライドし、待つこと数秒。すると、赤いインジケーターランプが点灯します。
今回の撮影では、このギミックに周囲が驚く反響が印象的でした。わぁ、懐かしいとなったのは昭和に近い世代。逆に令和に近い世代は、初めて見る物珍しさで楽しかったようです。
とにもかくにもレトロな撮影で思い出を残しておける選択肢が手軽にあるというのは、やはり意義深いサービスでしょう。もう少し低価格で利用できたら、申し分ない満足度なんでしょうけど!
Source: 富士フイルム