グーグル、ウインドサーフの資産取得で合意-OpenAIによる買収破談後

アルファベット傘下のグーグルは、人工知能(AI)を活用したコーディング支援を手がけるスタートアップ、ウインドサーフから人材やライセンス権を約24億ドル(約3500億円)で取得することで合意した。これに先立ち、グーグルと競合するオープンAIによるウインドサーフ買収合意が破談となっていた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  グーグルは11日の発表資料で、ウインドサーフの最高経営責任者(CEO)バルン・モハン氏と共同創業者のダグラス・チェン氏、少数の従業員を「ディープマインドAI」部門に迎えると明らかにした。

  金銭面の条件について、グーグルはコメントを控えた。条件にウインドサーフの株式取得は含まれていないとしている。

  ウインドサーフは当初、オープンAIによる30億ドルでの買収に合意していたが、取引はオープンAIの主要投資家であるマイクロソフトとの意見の相違などにより破談となった。非公開の情報として匿名を条件に関係者が話した。

  関係者によれば、ウインドサーフはマイクロソフトに自社の知的財産へのアクセスを与えることに難色を示し、オープンAIはこの点についてマイクロソフトの同意を得られなかった。

  オープンAIの広報担当者は11日、買収提案を巡る独占交渉期間は終了しており、ウインドサーフは他の提案を検討できる立場になったと説明した。マイクロソフトとウインドサーフはコメントを控えた。

  大手テクノロジー企業は、完全な買収には至らない形で、有望なAIスタートアップから幹部や技術を獲得する動きを加速させている。こうした動きに対しては、一部から反トラスト規制を回避する取り組みだと批判する声も上がっている。

  米メタ・プラットフォームズは先月、AIのデータラベリングを手掛けるスタートアップ企業、スケールAIの株式49%を140億ドル余りで取得し、AI関連業務を担うメタ内の新チームにスケールAI共同創業者のアレクサンドル・ワン氏を迎え入れた。メタはそれ以降もグーグルやオープンAI、アップルからAI担当幹部を引き抜いている。

関連記事 OpenAIのアルトマン氏、メタCEOと面会へ-人材引き抜き騒動後で初 米メタがAI部門を再編、スーパーインテリジェンス開発に注力

原題:Google Is Said to Pay $2.4 Billion for Windsurf Assets, Talent(抜粋)

関連記事: