ウーバー配達員と“2億ション”の女性住人がLINE交換→価値観がズレまくる「異世界交流」が面白い…え、うそ?まさか最後に泣かされるとは
借金を抱えるウーバー配達員と、“億ション”に住む女性。LINE交換から始まった二人の「異世界交流」が、涙と深い後悔に満ちた結末を迎えるとは。(画像はイメージです Photo:PIXTA)
借金を抱えるウーバー配達員と、“億ション”に住む女性。LINE交換から始まった二人の「異世界交流」が、涙と深い後悔に満ちた結末を迎えるとは。(ウーバー配達員ライター 佐藤大輝)
「LINEを交換してくれませんか?」 詐欺か?大丈夫…俺に資産はない
ウーバー配達員として、同じお客様のところに再度伺うことは稀だ。
けれど奇跡的に計3回、配達に伺ったことのあるお客様がいた。その人は女性で、年齢は30代後半くらい。中古販売価格で2億円を超える高級マンションに住んでおり、いつも玄関まで松葉杖をついて移動していた。
会話のキッカケは麻婆豆腐だ。僕も食べたことのある麻婆豆腐を、2回目の配達のときに偶然お届けした。辛さの中に旨味があるといった話題で盛り上がった。
3回目の配達の際、その女性からこのような提案を受けた。
女性「あの、もしよければ私と友達になってください!」 佐藤「はい?」 女性「LINEを交換してくれませんか?」 佐藤「えっと」 女性「実は私、持病のせいで足が悪いんです。体調もイマイチで……。それで、ワンちゃんを飼っているんですけど、散歩に連れていってあげられなくて」 佐藤「……」
女性「外じゃないとトイレをしない子で、今は散歩代行をお願いしてるんですが、もしよかったらこの仕事を、お兄さんに代わりにやってほしいなって」
新手の詐欺ではないかと全力で警戒した。
けれど当時、僕から奪える金融資産はゼロだった。国民年金は滞納。健康保険は未加入。住民税は猶予。国の社会福祉課から20万円、父親から30万円を借りていた。奨学金の残債も400万円近くあった。
こんな自分でも誰かの役に立てるなら……。結局、僕たちはLINEを交換して「友達」になった。
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価値観がズレまくる「異世界交流」が迎えた“涙の結末”とは