なぜ「Androidに外付けできるサーマルカメラ」が生活必需品なのか--用途も解説【レビュー】(CNET Japan)
筆者は「Ulefone Power Armor 18」のようにサーマル(サーモ)カメラを内蔵したAndroidスマートフォンを愛用している。しかし、サーマルカメラのためだけに新たにスマートフォンを買い替えるのは負担が大きい。 すべての画像を見る(全9枚) そこで最適な製品を見つけた。AndroidスマートフォンのUSB-C端子に外付けできる「InfiRay P2 Pro」だ。 価格は250ドル(日本では税込3万9000円)ほどだが、十分に購入する価値がある。あらかじめ正常動作時の機器をサーマルカメラで撮影しておけば「通常状態」を把握できるため、異常が発生した際に故障箇所を見つけやすくなるのだ。 ●InfiRay P2 Proとは InfiRay P2 Proは、超小型のサーマルカメラとマグネット式のマクロレンズがセットになった製品だ。サイズは27×18×9.8mm、重量はわずか9gだ。 装着方法はきわめて簡単で、スマートフォンのUSB-C端子に直接差し込むだけでよい。ただし、分厚いケースを装着していたり、高耐久仕様で筐体が厚めのスマートフォンでは端子が届かない場合がある。その際はUSB-Cの延長アダプタを使えば問題ない。あとは周囲を自由にサーモグラフィでスキャンするだけだ。 装着すれば、あとはスマートフォンの画面を覗くだけだ。 筆者が特に気に入った点は、アプリの画面中央に十字線が表示されるだけでなく、「最も高温な部分」と「最も低温な部分」にも自動でマーカーが表示される点だ。 さらに付属のマクロレンズも便利で、カチッと装着するだけでかなり近い距離から撮影でき、微細な部分の温度差を明確に確認できる。 ソフトウェアはカスタマイズ項目が豊富な一方で、機能過多で扱いづらいわけでもない。バランスが良いのが長所である。 ●日常生活での用途も多数 さまざまなマニアックなガジェットをレビューしてきた筆者だが、この価格帯でここまで優秀なサーマルカメラは珍しい。「何に使えばいいか分からない」という人のために、活用例をいくつか挙げてみる。 ・電気系統の異常発熱(故障しかけのコンポーネントは通常より熱を持ちやすい) ・窓の熱漏れや暖房・冷房の不調など、空調(HVAC)関連の問題発見 ・過熱している充電池の発見 ・床下配管(ラジエーターパイプなど)の位置把握 ・電源ケーブルの異常発熱チェック ・デスクトップPCやノートPCなどの冷却トラブル発見 ・車のブレーキが引きずっていないかのチェック 日常生活で使う際のコツは、機器が正常に動作している状態をあらかじめサーマルカメラで確認しておくことだ。どの部品がどの程度発熱するのかを把握しておけば、いざ故障が発生した際にすぐ異変に気づける。 実際、筆者はサーマルカメラを頻繁に使う。先ほども、とある電気機器が電源につながっているか確認したかった。通常であればマルチメーターを使う場面だが、カメラで内部パーツが温まっていることを確認し、電源回路がきちんと動作しているかが分かったので助かった。 ●総評 スタンドアロン型やスマホ接続型など、これまで数多くのサーマルカメラを試してきたが、「InfiRay P2 Pro」は筆者にとって最も気に入った製品だ。コンパクトで取り回しがしやすく、マクロレンズによって応用の幅がさらに広がる。動作も速く、精度も高い。加えてバッテリー不要という点が大きなメリットだ。 ●InfiRay P2 Proの主な仕様> ・赤外線解像度:256×192 ・温度測定範囲:-20°C~550°C(誤差 ±2°C) ・超小型設計:27×18×9.8mm、重量9g ・バッテリー不要 ・Android 9.0以降に対応 ・USB-Cインターフェース搭載 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。