オリオン座の「馬頭星雲」:ユークリッド宇宙望遠鏡が撮影(2023)【今日の宇宙画像】
【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)
(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)
こちらは、欧州宇宙機関(ESA)の「Euclid(ユークリッド)宇宙望遠鏡」が撮影した、オリオン座の暗黒星雲「馬頭星雲(Horsehead Nebula)」とその周辺です。馬頭星雲はオリオン座の方向約1375光年先にある有名な暗黒星雲で、画像の中央やや左下に写っている雲の形が馬の頭に似ていることから名付けられました。
soraeでは2023年11月17日の記事内で紹介しています。なお、この画像はデータ取得時の波長に応じて着色された疑似カラー画像となっています。
暗黒星雲は、ガスと塵が高密度に集まっている天体です。背後の天体から放射された可視光線が塵によって遮られるため、地球からはその部分が暗く見えることで”暗黒”星雲と呼ばれています。オリオン座の方向には「オリオン座分子雲」という広大な星形成領域があり、馬頭星雲はその一部です。
“馬の頭”の背後を染める青い輝きは励起した水素ガスが放つ光で、人の目には本来赤く見えます。その手前にある馬頭星雲も人の目には暗く見えるのですが、ここでは塵や分子ガスの豊富な領域が赤く着色されているため、まるで夕日に染まった大地にたたずむ赤毛の馬を思わせます。
ユークリッド宇宙望遠鏡とは
【▲ 欧州宇宙機関(ESA)の「ユークリッド」宇宙望遠鏡の想像図(Credit: ESA/ATG medialab (spacecraft); NASA, ESA, CXC, C. Ma, H. Ebeling and E. Barrett (University of Hawaii/IfA), et al. and STScI (background))】ユークリッド宇宙望遠鏡は、暗黒エネルギー(ダークエネルギー)や暗黒物質(ダークマター)の謎に迫ることを目的に開発された宇宙望遠鏡で、波長550~900nmをカバーする「可視光観測装置(VIS)」と、波長900~2000nmをカバーする「近赤外線分光光度計(NISP)」が搭載されています。
馬頭星雲の関連記事
編集/sorae編集部