トランプ氏、TikTok米事業売却期限をさらに75日延長

トランプ米大統領は4日、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業売却期限を新たに75日延長すると発表した。2020年9月撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 4日 ロイター] - 2人の関係筋によると、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業売却計画が保留になった。トランプ米大統領が打ち出した相互関税を受け、中国政府が承認しない可能性を示唆したことが背景という。

トランプ氏は4日、TikTokの米事業売却期限を新たに75日延長すると発表した。

関係筋によると、米事業を分離し、米国の投資家が過半数を所有・運営する新会社を設立することで、親会社である中国の字節跳動(バイトダンス)の出資比率を20%未満に引き下げる方向で、2日までに大筋が固まっていた。

関係筋は、この取引が既存の投資家、新規投資家、バイトダンス、米政府によって承認されていたと述べた。

在ワシントン中国大使館はTikTokの取引状況に関する質問に対し、「中国は何度もTikTokに関する立場を表明してきた。中国は常に企業の合法的な権利と利益を尊重・保護し、市場経済の基本原則に違反する行為に反対してきた」と述べた。

TikTokはコメントを控えた。

トランプ大統領は、期限延長の理由として、TikTok米事業売却を巡り「大きな進展があった」としつつも、承認を得るためにさらなる作業が必要と述べた。TikTokの米国内でのサービスが「停止することは望んでいない」とも述べた。

トランプ氏は「中国と誠実に協力を続けることを望んでいる。中国はわれわれの相互関税について大きな不満を持っていると理解している」とし、「TikTok、および中国と協力し、ディール(取引)を成立させることを楽しみにしている」と述べた。

トランプ氏は、TikTokの米事業を巡り4つのグループと接触しているとしているが、具体的な社名などは明らかにしていない。

米小売大手ウォルマート(WMT.N), opens new tabは、TikTokの米事業取得に向けた投資家グループに加わることを検討しているというABCニュースの報道を否定した。

TikTokの米事業を巡っては、5日までに中国以外の買い手が見つけなければ米国内で禁止されることになっていた。

中国はこの日、米国の相互関税への対抗措置として10日から全ての米国製品に34%の追加関税を課すと発表。2日にトランプ大統領が発表した中国への追加関税と同率を適用した。 もっと見る

TikTokの米国でのユーザー数は1億7000万人。トランプ氏はこれまで、バイトダンスとの取引を成立させるため、中国に対する関税を引き下げる用意があると述べていた。

バイトダンスの広報担当者はこの日「TikTokの米事業を巡る解決策について、米政府と協議を続けてきた」とし、「まだ合意に至っておらず、解決すべき重要な問題が残っている。いかなる合意も中国の法律に基づく承認の対象になる」と述べた。

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