【保存版】アクセンチュア流「生成AI活用術」大解剖、この会社…やっぱり凄すぎた理由(ビジネス+IT)
こうした社内のアプリ開発を促す取り組みとは別に、アクセンチュアではAIを活用することでデータサイエンスの作業の自動化・効率化も進めている。 具体的には、生成AIを使ったデータサイエンス支援ツールを整備しており、コーディングが得意でない戦略コンサルタントでも使いやすい仕組みを提供している。このツールでは、ノーコードで論点を設定し、表示されるボタンなどを選択するだけで、データサイエンスを活用した分析を簡単に実施できる。 たとえば、業界名や解決したい課題を入力すると、AIがその原因や解決策のアプローチ、活用できるデータの種類を提示してくれる。その上で、必要なデータサイエンスのコードも自動で生成され、プログラムの実行まで自動化できる仕組みになっている。 これまで、ビジネスや戦略の視点で検討を行う戦略コンサルタントと、データを基に詳細な分析を行うデータサイエンティストは、それぞれ異なる専門分野を担当していることが多かった。しかし、こうしたAIツールの登場により、その役割の垣根が徐々になくなり、両者の業務が融合しつつある。 また、このツールを活用することで、データサイエンスの分析結果を基にした戦略やビジネス施策の提案も容易に導き出せる。そのため、データ分析が得意なデータサイエンティストも、分析結果に基づいて幅広いビジネスや戦略の視点を加味した提案ができるようになる。こうした動きにより、より高度で実践的なデータ活用が可能となっている。
より衝撃的なのは、コンサルタントの業務のうち、多くの時間を占めていた資料作成の自動化にもアクセンチュアが踏み込み改善を進めている点だ。 現在、Copilotなどによりパワーポイントの自動化ツールは登場してきているものの、コンサルティングファームで作られる水準の資料を作成できりほどの実力には至っていない。そこでアクセンチュアは、自社が蓄積してきた過去の資料やナレッジをAIに参照させ、コンサルティング現場で実際に使える高品質な資料を自動で作成できるツール「Accenture Presentation Deck Agent(社内名称:PANDA)」を独自に開発しているのだ。 ユーザーはシンプルなプロンプト(指示文)を入力するだけで、AIによる一定品質のパワーポイントスライドの自動生成を始めることができる。 さらに、「PANDA」では、コンサルタントがよく作成する資料のパターン──たとえばフロー図やマトリックス、ロジックツリー、カレンダーなど──を基に資料を作成することも可能になる。 なお、作成できる資料のパターンは14種類にも及び、利用者は目的や用途に合わせて最適な形式で資料を作成できる。 加えて、AIが作成した資料に対して修正点を指示し、さらに内容をブラッシュアップすることもできる。修正したいポイントを専用のボックスに記入してレビューを行い、再度生成を指示することで、より完成度の高い資料へと仕上げていくことが可能になる。 このように、アクセンチュアでは、資料のたたき台作成から本格的な資料作成、さらにブラッシュアップに至るまでのプロセス全体をAIでサポートしている。これにより、コンサルタントが本来集中すべき最終的な仕上げや考察に注力できるよう、前段階の作業を大幅に効率化しているのである。 こうした日々の資料作成を自動化する取り組みだけでなく、アクセンチュアではコンサルティングビジネスで時間を要する顧客への提案書についても生成AIの活用を進めている。これはコンサルティングビジネスが、従来の「人に依存したビジネス」から「データ活用型ビジネス」へと進化している様子がうかがえる。実際にアクセンチュアでは、国内外における業界や顧客ごとの経営課題や有効なアクションなどの知見をデータベース化している。 このように蓄積されたデータベースを活用し、会社や業界ごとに直面しやすい課題や、その解決策、根拠となるエビデンスなどをAIが抽出し、提案内容の仮説やたたき台を示すことができる。 さらに、アクセンチュアが持つ豊富なデータやナレッジを基に、AIが抽出した提案仮説をもとに一連のストーリーを設計し、資料の全体構成を自動で出力することも可能だ。