夏休み明け、子どもが「学校に行きたくない」と言い出した…親がやってはいけない“NG行為”とは

子どもが夏休み明けに「学校に行きたくない」と訴えたときに親がすべきではない行為について、心理カウンセラーに聞きました。

子どもが「学校に行きたくない」と言ったらどうする?

 多くの学校では、9月1日に新学期を迎えますが、毎年、夏休み明けに「学校へ行きたくない」と訴える子どもがいます。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。不登校の原因や親がすべきではない対応などについて、心理カウンセラーのうるかすさんに聞きました。

Q.例年、夏休み明けに「学校に行きたくない」と訴える子どもが増えるようですが、なぜなのでしょうか。考えられる原因について、心理的な観点で教えてください。

うるかすさん「夏休みに限らず、長期休み明けにみられる訴えのようですから、夏から秋という時期特有の問題ではないでしょうね。

家庭に問題がない多くの子どもにとって、自宅は学校と比べれば『安心できる場所』だと思います。その居心地の良い空間から出ないといけないので『外で我慢したくない』『行きたくない』という発言が出る可能性がありますね。

これらはいじめなど、学校に行きたくない明確な理由がなくても起こり得ることなので、子ども本人もうまく説明できないことが多いのではないでしょうか。

反対に、親の方が子どもに依存的になってしまっている『共依存』に近いケースもあるようです。ただ、こういった場合では親側が『学校に行きたくない』訴えを問題視することは少ないでしょうから、表面化しづらい問題かもしれません。

このように家庭内の問題が少しずつ積み重なり、その影響が行動として表れる場合もあります。このあたりは、丁寧に話を聞く必要があると思います」

Q.長期休み明けに子どもが「学校に行きたくない」と訴えた場合、親はどのように対処したらよいのでしょうか。また、そうした状況が続く場合についてはいかがでしょうか。

うるかすさん「子どもの気持ちに寄り添うことが大事とは言いますが、『言うはやすし』で実行するのは難しいですよね。大事なのは投げっ放しにしないこと、対話を継続することです。学校に行かない選択をした場合でも、勉強の代わりに家事などの義務を押し付けたり、逆に放任し過ぎたりするのも、根本的な問題解決にはつながらないと思います。

また、先述の親からの依存でいえば、『子離れ』ができずにいることに無自覚なケースもあります。『子どもの自立が極めて不安』『何か接し方を間違えているかも』と少しでも思われる場合、専門家に相談するのも良いと思います」

Q.子どもが「学校に行きたくない」と訴えた場合に親がやってはいけない行為について、教えてください。

うるかすさん「頭ごなしに『無理に行かせる』のは、やはりよくないと思います。もし子どもの訴えに妥当な理由があるなら、親が『社会的・世間体的に“正しい”親でありたい』という、子どもを手段とした『自己実現』『承認欲求』という『自己愛』を優先してしまっている可能性があるためです。

これはもちろん、多少なりとも誰もが持っている望みではありますが、少なくとも自身の子どもの意思よりも優先されるべきものではないはずです。『学校へ行けない子を持って恥ずかしい』といった自分本位な心理が隠れていないか省みた上で、子どもを一個人として尊重し、意見を聞く必要があるでしょう。

もし先述のような『親優先』の傾向が強いのであれば、いずれ進路選択など他のタイミングでも、子どもの自主性を損なう恐れがあります。1人で悩まず、学校や医療機関、専門家への相談をお勧めします」

* * *

 「学校へ行きたくない」という子どもの訴えは、安心できる家庭への甘えとも取れる一方、いじめなどの正当な理由がある場合は要注意です。接し方についても、ただ肯定、否定するだけでなく子どもの意思を尊重する必要があるでしょう。

 さらに「子への依存」や「自己実現」といった、行き過ぎれば健全でない親側の心理が隠れている可能性もあります。子どもの不登校に疑問を持った場合、親自身のことも含め、専門家に相談した方がよいかもしれません。

(オトナンサー編集部)

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