M4搭載「Mac mini」はウソのように小さい偏愛系パソコン モバイル環境でのポテンシャルを探る

 創業者の故スティーブ・ジョブズ氏は、「必要最低限しか備えていない、とにかく価格が安いMacがほしい」という声に応えたと、この製品を紹介した。「BYODKM」製品、つまり「Bring Your Own Display, Keyboard, and Mouse(キーボードとディスプレイ、マウスは自分で用意してね)」という形でアピールした。  そんなのWindowsはもちろん、Macのデスクトップモデルでも当たり前のことなのだけれど、あえてマニアックに言い回しにすることで、「なんだか難しそう」と感じた初心者ユーザーは、より親切なiMacに流れることを誘導していたのではないかと筆者は読んでいた。  初代Mac miniは正面にスロットイン式のDVDスーパーマルチドライブの挿入口があり、本体サイズはCDケースを2回りほど大きくした約165(幅)×165(奥行き)×51(高さ)mm、重量は約1.32kgだった。  ちなみに普通自動車のナンバープレートは高さが約165mmなので、あれを正方形に切り取ったくらいのサイズと考えると想像しやすい。価格は米国ドルで499ドルと599ドルだった(日本では5万8590円と6万6800円だ)。  発売後、それまでのMacにない小ささと手頃さが世界中の人々にインスピレーションを与え、Mac miniを数台購入して小型のサーバを構築する人、車に取り付けて車載コンピュータとして使う人などさまざまな人が登場した。いわば「偏愛系パソコン」という独自のポジションを築き、ジョブズ氏も喜んでそれを取り上げていた。  それからほぼ20年後の2024年10月、AppleはM4チップを搭載した新型Mac miniを発表した。  まず驚くのはコンパクトなボディーサイズで、もう1つ驚くのは、米国のインフレで他の製品が軒並み高くなる中で、製品価格は初代製品の高いモデルと同じ599ドルを維持している点だ。ただし、日本経済がミニ化し円安が進んでしまったために国内価格は9万4800円からと、一見高価になったように見えてしまうのが少し寂しいところではある。  そんなMac miniは、本体サイズと価格が手頃であることに加え、偏愛系パソコンであることも従来通りで、既にMac mini専用のポーチやトラベルケースなど、さまざまな“偏愛関連グッズ”も登場している。  そこで、Mac miniの偏った使い方の中でも話題になることが多い、モバイル用途でのMac miniを追求してみることにした。

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