“神奈川ダービー”は壮絶打ち合いの末にドロー…横浜FMは終盤逆転も勝ち切れず、川崎Fは終了間際に高井が同点ヘッド
J1リーグは9日に第5節延期分を行った。川崎フロンターレと横浜F・マリノスの対戦は、3-3でドロー。横浜FMは1-2で迎えた後半44分にMF天野純、後半アディショナルタイムにはMFヤン・マテウスが立て続けにゴールを決める。だが、川崎Fは後半アディショナルタイム9分過ぎにDF高井幸大が同点ゴールを決めた。
両チームともに出場しているACLエリートの影響で延期となっていた今節。負傷者も出る中で連戦を考慮する川崎Fは、前節からMF河原創を除く先発10人を変更した。MF大関友翔が川崎Fでの公式戦初先発を飾り、負傷から復帰したFW小林悠は今季初のメンバー入りで先発。また、ルーキーDF土屋櫂大は公式戦初のベンチ入りとなった。横浜FMは前節から先発2人を変える。MF山根陸とY・マテウスがスタメン復帰。昨シーズンまで川崎FでプレーしたMF遠野大弥は古巣対決となった。[両スタメン&布陣]
川崎FはMF宮城天がウォーミングアップ中に負傷し、急きょメンバー外に。代わって前節先発だったFWマルシーニョがスタメンに入り、MFパトリッキ・ヴェロンがベンチに入った。また、横浜FMは前半3分にDFジェイソン・キニョーネスが足を痛めてプレー続行不可能に。そのまま交代してDFトーマス・デンが出場した。
思わぬアクシデントから始まった試合は、前半7分に均衡が崩れる。中盤でボールを奪った川崎FはMF伊藤達哉が左サイドに展開。マルシーニョが縦に突破してクロスを上げると、敵陣内で相手選手に当たってこぼれる。すると、そこに詰めた大関がボールを足元に収めて右足シュート。冷静に決め切り、J1初先発で初ゴールを挙げた。
先手を打った川崎Fだが、その後は横浜FMがペースを握る。敵陣近くでボールを動かし、セットプレーに持ち込んだ。前半24分の右CKでは、DF永戸勝也がカットインから左足シュート。しかし、惜しくもゴール左外に外れた。
その後もボールを保持し続けた横浜FMは、前半40分に同点に追いつく。右CKは一度クリアされるも、MF井上健太が右サイド際で体を張ってボールキープ。つないだボールをY・マテウスがカットインして左足シュートを放つと、低い弾道はゴール右隅に入り、1-1と試合を振り出しに戻した。横浜FMにとって4試合ぶりのゴールとなった。
前半アディショナルタイム1分過ぎ、川崎Fは大関からパスを受けた伊藤がPA右に入り込む。MFジャン・クルードに倒されると、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックが入った。御厨貴文主審がモニターで確認。直前のプレーでオフサイド位置にいた小林がパスの受け手としてボールに関与したとみなし、PKの判定もなくなった。
前半はそのまま1-1で後半へ。川崎Fはハーフタイムで2枚替え。MF河原創とマルシーニョを下げ、MF脇坂泰斗とMF山本悠樹が入った。キャプテンマークはDF高井幸大から脇坂に託された。MF瀬川祐輔が左サイドに移動し、脇坂がトップ下に入る。山本は大関と2ボランチを組んだ。
後半は一転して川崎Fが攻め立てる。後半17分には小林を下げ、FW神田奏真が今季初出場となった。21分には勝ち越しに成功。右サイドのスローインからリスタートすると、中盤でアイダルがボールを持つ。自ら運んで長距離から左足を一閃。豪快な弾道をゴール左に突き刺し、2-1とリードを奪った。
再び追いかける展開になった横浜FMは、後半28分に井上を下げ、MF天野純を投入。川崎Fは43分にアイダルが途中交代し、土屋が出場してプロデビューを果たした。
直後に横浜FMがチャンス。後半44分、右サイドからのクロスをFW植中朝日がバイシクルシュートで合わせる。ゴール前に落ちたボールを天野が押し込み、2-2と再び追いつく。さらに直後にはY・マテウスがゴールを決め、3-2とする。
しかし、川崎Fも終了間際にセットプレーを高井が沈め、3-3で引き分けた。 (取材・文 石川祐介)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集