[関東]清水ユースから筑波大に進学した大物ルーキー矢田龍之介が1G1Aの鮮烈デビュー「大学で力をつけて」

1ゴール1アシストのデビューとなった矢田龍之介

[4.6 関東大学L1部第1節 国士舘大1-4筑波大 国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場]

 鮮烈デビューになった。筑波大は前半17分、中盤でボールを持ったMF矢田龍之介(1年=清水ユース)が通したスルーパスに反応したMF山崎太新(4年=横浜FCユース)が、GKとの1対1を制して先制点が決まる。

 さらに2-0で迎えた後半10分には、FW内野航太郎(3年=横浜FMユース)のヘディングがクロスバーに当たった跳ね返りを矢田が押し込んで、追加点を決が決まった。

 大学リーグデビュー戦で1ゴール1アシストの大活躍。新鋭ボランチは「アシストのところは狙い通りで完璧。太新くんの抜け出しに合わせられた。得点に関しては、いい位置にこぼれてきた。押し込むだけだったので、運が良かったなと思います」と笑みをこぼした。

 新4年生になる主力3選手がJリーグに進むために退部したことによる戦力ダウンが懸念された筑波大だが、上手く“穴”に一年生がはまった形だ。DF諏訪間幸成(横浜FM)に変わってDF池谷銀姿郎(3年=横浜FCユース)が入ったことで、代わりの右SBではDF布施克真(1年=日大藤沢高)が先発。そしてMF加藤玄(名古屋)が抜けたボランチに矢田が入った。

 もっとも、矢田は実績を十分に持つ選手でもある。1FC川越水上公園でプレーした中学生の時には、世代別代表に飛び級で選出された。高校進学時には10を超えるクラブが獲得に乗り出した逸材で、清水エスパルスユースでも結果を残し、23年11月に行われたU-17ワールドカップにも出場した。  高卒プロも当然考えられたが、大学進学を選んだ。「プロになれなかったというより、筑波に行きたいなというのがあった。それに自分はまだプロの世界にチャレンジするには足りないなと思っていたし、即戦力として使われるために、大学で力をつけたかった」。 「将来の幅を広げたいと思って筑波に来たことは間違いない。3年でプロ?行けるかと言われるとまだイメージはない。1年1年、筑波のためにというところでプレーして、そこから早く行けるかというのは後から付いてくると思う。まずは筑波のためにプレーしたいと思います」

 ユースの同期ではMF西原源樹とMF小竹知恩がトップ昇格。そして2人はJ1デビューを果たしている。ただ矢田は「誰が活躍しようが関係ない」ときっぱりと話す。「そんなことにエネルギーを使っている時間はないし、そこにエネルギーを使うのであれば、自分がどうしたら成長するかにフォーカスしたい」と力強く話した。

 大学で結果を残すことで代表活動への返り咲きにも意欲をみせる。今年2月にU20アジア杯を戦ったU-20日本代表には、U-17W杯を戦った同い年の佐藤龍之介(岡山)や中島洋太朗(広島)、大学で同級生になった布施らが選ばれたが、矢田は選考から漏れた。  ただメンバーをみると、4人の大学生(当時)が選ばれていたことからも、チャンスは十分にあると考えている。矢田も「関東リーグで結果を残せば復帰は全然あると思っている。克真なんかは入っているし、そこもいい刺激を貰いながら、切磋琢磨していきたい。(U-17W杯で)悔しい思いをしたことが、今も原動力になっている。代表には復帰したい」と意欲的に話した。 (取材・文 児玉幸洋)●第99回関東大学リーグ特集

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