PC向けCPU業界に新たな刺客。台湾のMediaTekが堂々参入
PCのCPUに新しいプレイヤーが参戦です
PC向けCPUといえば、CoreシリーズのIntel(インテル)、RyzenシリーズのAMD(エーエムディー)などが有力なプレイヤーとして知名度を誇っています。が、その中で新たに勢力を伸ばそうとするメーカーが現れました。それがMediaTek(メディアテック)です。知る人ぞ知るMediaTek、皆さんご存知ですか?
MediaTekは台湾の半導体メーカーで、数年前からミドルクラス向けのスマートフォンのSoC(システムオンチップ)として多く搭載されていましたが、近年はハイエンドのスマホでも搭載されるようになっています。満を持してPC向けのCPUに本格参戦ということなんです。
新プロセッサー「Kompanio Ultra」を発表
新しいプロセッサー「Kompanio Ultra」は、Chromebook向けに設計されていて、Windows搭載のノートPCよりもスペックを必要としない、つまりエントリーモデルでの高いコスパを目指していると思われます。それはそうと性能はどうなの? というのが気になるところではないでしょうか。
「Geekbench 6」でのスコアは…
となっています。
これは、一般的なノートPC用途としては非常に高い性能水準と言えます。
さらに昨今重要さを増しているAI性能は 、近年のSoCに標準装備されているNPU(ニューラルプロセッシングユニット:AIを高速に処理するために設計されたプロセッサー)も搭載されています。Kompanio Ultra(モデル910)は50 TOPSのAI性能を実現しているので、AIの処理も十分な性能を示してくれそうです。
ディスプレイ接続や接続性もバッチリ
Image: Media Tek / YouTube最大3台の4Kディスプレイを同時にサポート(ノートPC本体の画面+外部出力2画面)で、Bluetooth 6.0およびWi-Fi 7に対応しています。ARMベースのプロセッサであるKompanio Ultraですが、既にWindows PCにARM版を搭載している機種もあるので、今後搭載のハードルはほぼないといって良さそうです。近い将来にコスパの優れたKompanio Ultraが、Windows機に搭載される日も近そうです。
現時点では、Kompanio Ultra搭載の製品詳細は明らかになっていませんが、MediaTekは今後、コスパのいいChromebook分野での拡大を狙っているはずなので、だんだんとMediaTekのプロセッサを搭載したPCを市場で見かける場面も増えていきそうです。
ユーザーとしての大きなメリットはPCの値段が下がること。関税や円安で新しいガジェットが買いにくくなる昨今、十分満足いくスペックでお得にガジェットが買えるのは素直にうれしいメリットです。
そしてCPU性能がアップすること。選択肢が増えることでメーカー同士の競争によって、より性能が良く、より安い製品が提供されるはずです。選ぶユーザーにとっては、新たな選択肢が増えることが悩ましくもあり、うれしいポイントです。どんな機種に搭載されていつ手元で使える日がくるのか、より良い製品の選択肢が広がる未来を想像して胸が高鳴ります。
Source: Media Tek, NOTEBOOK CHECK