論点:選挙は「勝てば官軍」も…元アイドル区議「白票はショック」のわけ
選挙で白票が投じられることを、「本人」たちはどう思っているのだろう。東大受験生アイドル、仮面女子としても活躍した橋本侑樹・東京都渋谷区議を直撃した。【聞き手・後藤豪】
政治全体に対する「ノー」示す
投票権を得て以来、選挙には欠かさず行っている。
正直、これまで「どこにも入れたくないな」と思った選挙はあった。そういうときは、自分が積極的に支持しているわけではないけれども、この勢力の議席が増えると議会運営に緊張感や多様性が生まれたりするのではないか、といった観点で投票した。
私自身、白票を投じたことはない。
一般的に、投票に行かない場合、忙しくて行かなかったのか、興味がないのか、選びたい候補がいないのかが全くわからない。
白票の場合は、「明確に選びたい人はいない」という意思表示にはなる。
候補者の視点ではどうか。
渋谷区議選の場合、前回(2023年)は定数34に対し、62人が立候補した。これだけ大勢出ている中で「選べない」と白票を突きつけられたら、正直、政治に対する不信感と受け止めざるを得ない。
真面目に取り組んでいる政治家いる
政治家の中には、価値観の違いはあっても真面目に取り組んでいる人がたくさんいる。
それぞれが自分の正義でやっている。そのどれも選ばず、白票をわざわざ入れるとなれば、たとえ私が今後どんな政策を示したとしても支持されることはないだろう。
政治全体に対してNOを突きつけているからだ。
立候補者が3、4人の選挙であれば、「たまたま投票したい人がいなかったんだな」という受け止め方もできる。
しかしながら、候補者が多い選挙で白票を投じられるとショックは大きい。
ただ、白票がこうした影響力を持つケースは少ないだろう。
たとえば、投票率30%の選挙で当選するのと、白票が多く入ったけれども、投票率50%の選挙で当選するのとでは、全然見え方が違う。
白票が支持を補…