なぜ、あの頃のiPhoneはワクワクしたのか。Androidとの2台持ち生活で見えた答え
10日の深夜には、新しいiPhoneの発表会。でも、なんだろう、この凪な気持ち。
昔ほど、猛烈にテンションは上がってないーー。
発表会が待ち遠しかった、あの頃のiPhone
昔を振り返るってみると、iPhoneの発表会は驚きの連続でした。
初代iPhoneの、「キーボードを廃止した全面ディスプレイの携帯って何それ!?」の衝撃。指での操作のバリュエーションと、見たことないUIにも驚かされました。
iPhone 3GではApp Storeが登場。好きなアプリを自由に入れて、自分だけのスマホをつくることができる“新しい概念”が世界を変えました。
そしてiPhone 4Sに初搭載されたSiriは音声でやり取りができるパーソナルアシスタント。これも「未来キタッ!」とワクワクさせてくれる革命でした。
そのほかにも、ホームボタン一体型のTouch IDや、見るだけでロックを解除できるFace ID、ベゼルレスデザインや、イヤホンジャックの廃止など、革新的な発表の数々に、毎年驚きがありました。
そのデザイン性や、広告のかっこよさも相まって、iPhoneを持つだけで、まるで未来を手にしたような気分にさせてくれたものです。
Photo: 小野寺しんいちiPhone 16 Proですが…良い悪いの話ではなく、最近のiPhoneにはこうした高揚は少なくなってきている気がします。むしろ、年を追うごとに洗練され、究極形へと直走る姿に、安心感すら覚えます。
スマホって、もう行くところまで行ったんだ多分。昔みたいに、驚きの連続とはもう行かないんだーー。
そんな私の思いを打ち破ったのが、Androidスマホとの出会いでした。
今、Androidスマホがマジすごい
知ってますか、最新のPixelって、海外の人と電話した音声をリアルタイムで通訳してくれるんです。それだけじゃありません。カメラの撮り方を、スマホが教えてくれるんです。
Photo: 小野寺しんいちGalaxy S25 Ultra他のメーカーもすごいです。SamsungのGalaxyなんか、2億画素で写真が撮れて、8Kや240FPSでの動画撮影もできちゃいます(iPhone 16 Proだと、4800万画素 / 4K / 120FPS)。
HUAWEIが出してるスマホ(日本未発売)なんか、業界初のレンズ切替式のデュアル望遠カメラが搭載され、本気で綺麗な望遠写真が撮れるんです。
Androidスマホ、驚きにしても、スペックにしても、iPhoneを追い越すことが多くなっています。
Androidスマホが思い出させてくれた、懐かしい高揚感
今年に入ってから、プライベート用にiPhone、仕事用にAndroidスマホの2台使いを始めました。
これまでiPhoneしか使ってこなかった筆者ですが、初めてのAndroidには驚きの連続。iPhoneとはまったく違う世界に来た感じで、これはこれですごくいい。
ホーム画面を丸ごと作り替えられる等のカスタマイズ性の高さや、折りたたみスマホの特別な使用感、情報取得の早さ、やっぱり感じる指紋認証の便利さ。
iPhoneとは違う路線での写真や動画の美しい仕上がり、個性的なデザインなどなど。やっぱり、新しいガジェット体験って楽しいな、と再認識させてくれる機能が満載です。
Photo: 小野寺しんいちPixel 10 Pro XL特にGoogleが手掛けるPixelの進化は凄まじく、最近は怒涛のようにAI機能が繰り出されています。
Pixelといえば、最新の10シリーズがリリースされたばかり。発表の直前、次は一体どんな驚きの機能が出るんだ? とワクワクしていた自分がおりました。こんなのiPhone以外のスマホでは覚えたことない感覚。そしてそんな期待を裏切らず、今年も進化を遂げました。
これはまさに昔のiPhoneで味わっていた高揚です。今、ワクワクする最新機能をいち早く体験したい、高揚感を味わいたい人には、今、Android端末はおすすめです。
一周回って気づく、iPhoneって今もすごかったんだ
Photo: 小野寺しんいちただ不思議なもんで、Androidスマホを使えば使うほど、改めてiPhoneってすごいんだなとも感じてます。
フォントの読みやすさから、キーボードの操作性、各種UIの設計、物理ボタンの配置まで、細かいところの丁寧な作り込みが、快適なスマホ体験をこんなにも支えていたんだと知りました。
Androidスマホは、操作性を自分好みにカスタマイズできることが楽しい点ですが、iPhoneは、わざわざ設定しなくても、直感的に使えるようになっているからすごい。
また、実装されている機能の体験にも大きな違いを感じます。Androidスマホには、iPhoneにはない驚くような機能がたくさんあります。
でも、そのどれも本当に便利で必要かというと、そういうものばかりではありません。一方iPhoneには、もはや固有の機能は少なくなりつつありますが、それら機能の完成度がすごく高い。ちゃんと使いやすく、わかりやすく、実用的に作られていると感じます。
まるで、足し算のAndroidに、引き算のiPhoneみたいな感じ。
それに、やっぱりAppleの高い技術力。廉価版であるiPhone 16eですらサクサクです。どのラインでもまったくストレスなく使えるのはさすがiPhoneと言わざるを得ません。
つまりiPhoneは、もはや圧倒的に完成度の高いプロダクトになっているわけです。
Androidが不安定なところもありつつどんどん進化していく未来の端末だとすると、iPhoneは細部までこだわり抜かれ手馴染みのいい職人の逸品。iPhoneは路線を変えて、その価値を高めているのだと感じます。
AndroidもiPhoneもいい。問われるのはあなたの審美眼
Photo: 小野寺しんいち他のスマホメーカーも技術力を向上させた今、Apple一強で技術革新を独占する状況ではなくなりました。だから、iPhoneにかつてあったワクワクが、相対的に薄れているわけですね。
正直Androidスマホの方がスペック(ゲーミング性能やカメラ画質)は高くてコスパいい、なんて当たり前の状況です。だからこそ、今消費者に求められているのは、自分がどんなスマホ体験を求めているのかを把握すること。これまでも使い続けてきたから、ではなくて、たくさんある良質な選択肢から、自分にぴったりなものを見つける審美眼が必要です。
先進的なテクノロジーに触れて、まだ見ぬスマホ体験を享受するならAndroid端末めちゃくちゃおすすめです。
一方、プロダクトとしての完成度の高さに裏打ちされる、快適さと安心感がしっくりくるなら、iPhoneは有力な選択肢です。
市場が成熟し、各スマホメーカーの特色がはっきりとしてきた今だからこそ、冷静に自分のためのスマホ、選びたいものです。
てなことを色々言ってきましたが、心の声は抑えられねぇ...。とはいえ、Appleさん、すごいもん発表してくれよ、9月10日!