高橋大輔が今も浅田真央に受ける刺激 ここ数年で変化を実感「選手時代と比べると…」村元哉中も共演心待ち
フィギュアスケート・アイスダンスのプロスケーターとして活動する村元哉中さん、高橋大輔さんが「THE ANSWER」のインタビューに応じ、現在の主戦場とするアイスショーの魅力を語った。2020-21年から3シーズン活動し、2022年全日本選手権で優勝。アイスダンスの注目を引き上げ、競技会から退いて以降も挑戦を続ける“かなだい”は、競技会とは異なるショーの世界について体験をもとに解説。来月5、6日のアイスショー「スターズ・オン・アイス」で実現する浅田真央さんとの共演を心待ちにした。(前後編の前編、聞き手=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
フィギュアスケート・アイスダンスのプロスケーターとして活動する村元哉中さん、高橋大輔さんが「THE ANSWER」のインタビューに応じ、現在の主戦場とするアイスショーの魅力を語った。2020-21年から3シーズン活動し、2022年全日本選手権で優勝。アイスダンスの注目を引き上げ、競技会から退いて以降も挑戦を続ける“かなだい”は、競技会とは異なるショーの世界について体験をもとに解説。来月5、6日のアイスショー「スターズ・オン・アイス」で実現する浅田真央さんとの共演を心待ちにした。(前後編の前編、聞き手=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
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――フィギュアスケートはファンが観戦する場合、競技会(大会)とアイスショーの2つがあります。スケーターにとってアイスショーを演じる魅力、また競技会にはなくてアイスショーにあるものを教えてください。
高橋「競技会はやることが(ルールで)決まっているのですが、アイスショーは縛りもないので自由度が高く、スケーターが『こういうのを見せたい!』というものを思う存分披露できる場所というところですね」
村元「それこそ自由なので、何でもできます。フリーダムな感じ。競技では見たことのない表現力もある。『こんな表現を持ってたんだ!』という新しい発見も各スケーターに見えます。照明や音楽などもアイスショーならでは、競技とは全く違う空間にいる感覚になれます。(演劇の)舞台とは少し違うかもしれないけど、エンタメだなって思います。普段は(大会で)競っているトップスケーターたちが一緒に滑るコラボナンバーもショーならでは。他のスケーターたちと、特にグループで一緒に1曲丸々滑ることもないので、そういうところも面白いところです」
高橋「あとはアイスショーもいろいろなものがあり、雰囲気も全然違う。それによって見せ方も全然違う。特に『スターズ・オン・アイス』は古くから北米スタイルの雰囲気があります。北米は表現や音楽もパワフルなスタイルで、それも『スターズ・オン・アイス』ならでは。ベテランスケーターから若手スケーターが集まって一緒に表現していく中で、スケーターとしても、若手はベテランと一緒に滑ることで学ぶこともたくさんあります。スケートファンとしては、昔からずっと応援しているスケーターと今応援しているスター選手が同時に一緒に見られることも楽しめますね」
――エンターテインメントという文脈で言えば、例えば音楽のライブ、演劇の舞台やミュージカルを観に行く延長線上にアイスショーがあってもいいと思います。アイスショーは芸術とスポーツの融合という独自性もある。そんなエンタメ好きの方も楽しめる共通の要素はありますか?
高橋「やっぱり音楽、照明、動きは(共通する部分が)きっとあるんじゃないかと思います」
村元「曲にもよりますけど、『フゥー!』と声出しをしてもいいナンバーもあってライブのように盛り上がれますよ」
高橋「あとは1つのアイスショーでもスケーターそれぞれの世界観があり、いろんな世界観を楽しめます。4分から長くて5分に凝縮された表現を見て、没入感はすごく感じられると思います」
――逆にアイスショーならではの苦労はありますか?
高橋「準備は結構大変ですね(笑)。スケーターが世界から集うので時間も長く取れず、リハーサルが2、3日間で、グループナンバーを覚えなければいけない。本当に短い中でギュッと覚えていかなきゃいけないので、朝から晩までみっちりやって本番に向かっていきます」
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――来月出演予定の「スターズ・オン・アイス」は、お二人の演技の見所はどんなところでしょうか。
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村元「今回、プログラムを2つ用意して、全く違う世界観なので。もし2つを見る機会があれば、同じチームでも全然違う世界観を表現できるんだよ、という面白さを見られると思いますね」
高橋「そうですね。コスチュームもそれぞれの世界観に合わせて作っているし、メイクも髪型も変えているので。見た方に『また見たいな』と思ってもらえるようにやることが一番です」
村元「ショー自体でいえば、あとはやっぱり(浅田)真央ちゃんですね」
――浅田真央さんは9年ぶりの出演として話題を呼んでいます。高橋さんは現役時代から大会やアイスショーで重なることも多く、同じ舞台で共演することはすごく貴重な機会になりそうです。どんな心境ですか?
高橋「グループナンバーを一緒にやるのは本当に久しぶりです。だから、僕もすごく楽しみで。真央ちゃんも僕もですが、アイスショーをプロデュースするようになり、ここ数年で彼女自身もいろんなことを吸収しているし、実際にスケートを見に行くと、『この人すごいな』と思ったし、まだまだ成長している。僕も良い意味での“ぶつかり合い”をして、どんな世界観を一緒に作れるのか。真央ちゃんと今、どんな演技にするか話し合っています。特別なコラボレーションが生まれると思うので、今まで見たことないものが見られることを楽しみにしてほしいです」
――高橋さんから見て、浅田さんが「まだまだ成長している」というのは具体的にどんなところでしょうか。
高橋「見せ方は選手時代と比べると本当に増えていますね。本当に“見せること”“見てもらうこと”に全力を注いでいる。もちろん、現役の時も一生懸命にやっていて伝わってくるものはあるけど、当時とはまた違うものが伝わってくる印象。自分もすごく刺激を受けました。うかうかしてられないな、という気持ちになったので、今回はすごく楽しみですね」
アイスショーの魅力について語り、浅田さんとの共演を心待ちにした“かなだい”の2人。後編では今もアイスショーを通してパフォーマンスを披露する理由と情熱について吐露。そして、これからのフィギュアスケートという競技普及と未来に向け、想いを明かした。
■アイスショー「スターズ・オン・アイス」
1986年に北米でスタートした世界最高峰のアイスショー。歴代冬季オリンピックや世界選手権のメダリストによるグループナンバーや豪華コラボレーションなどが見どころで、今年は浅田さんが9年ぶりに参加。村元哉中さん&高橋大輔さんのほか、現役の日本選手では島田、坂本花織、三浦璃来&木原龍一(大阪公演のみ)、樋口新葉、千葉百音、佐藤駿、壷井達也、友野一希、中田璃士らの出演が決定している。大阪公演は4月5日(土)、6日(日)に東和薬品RACTABドームで、札幌公演は4月12日(土)、13日(日)に札幌市月寒体育館スケート場で開催される。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)