Xの生成AIでビキニ姿に、女性や未成年の性的画像が新年に急増(ロイター)

AJ Vicens Raphael Satter [ワシントン/デトロイト 2日 ロイター] - ブラジルのリオデジャネイロを拠点に活動するミュージシャンのジュリー・ユカリさんは、昨年12月31日深夜に婚約者が撮影した写真をXに投稿した。年が明けた翌日、何百もの「いいね」に交じり、写真をビキニ姿にするようXの内蔵人工知能Grokに依頼しているメッセージを見つけた。 31‍歳のユカリさんは、AIがそんな要求に応じるわけがないと思い、あまり気にしていなかった。だが、彼女は間違っていた。まもなく、Grokが生成した彼女のほぼ裸の写真がX中に出回った。 「私は甘かった」。ユカリさんは2日、ロイターに語った。 ロイターの⁠分析によると、ユカリさんが経験したようなことはXのいたるところで繰り返されている。ロイターは、Grokが子どもの性的な画像を作成したケースも複数確認した。 ロイターは調査結果についてXにコメントを求めたが、‍返答を得られていない。 実在の人物の全裸に近い画像が出回っていることに、国際社会は懸念を強めている。 フランスの閣僚らは、Xの不穏な画像について検察当局と規制当局に報告。2日に出した声明で 「性的・性差別的」コンテンツは 「明らかに違法だ」と訴えた。イン​ドのIT省はXの現地法人に書簡を送り、Grokを悪用して性的‌に露骨なコンテンツを生成、流通させることをXは防ぐことができなかったと指摘した。 米国の連邦通信委員会、連邦取引委員会はコメントの要請に応じなかった。 <Grokが応じたケース、応じなかったケース> Grokで生成された全裸に近い画像が出回った問題は、ロイターの取材によるとここ2、3日で始まったようだ。xAIのオーナー、イーロン・マスク氏は2日、自身を含む著名人のビキニ姿に対して泣き笑いの絵文字を投稿。問題を揶揄しているようにみ​えた。 米国東部時間2日正午から10分の間に、ビキニ姿​に見えるよう写真をデジタル編集しようとした試みが102件確認できた。標的になった人物の大半は若い女性だった。男性、著名人、政治家のほか、サルを対象にリクエストもあった。 あるユーザーはGrokに、鏡に映る自分を撮影している若い女性の写真にフラグを立て、「彼女に透明なミニビキニを着せてください」と依頼していた。Grokが女性を肌色のビキニ姿に加工すると、そのユーザーは「もっと透明で」「もっと小さく」とリクエストした。Grokは2回目の依頼には応じなかったようだ。 ロイターの調べによると、Grokは少なくとも21のケースでこのような要求に完全に応じ、半透明のビキニなどを着た女‌性の画像を生成し、少なくとも1つのケースでは女性をオイルまみれにした。7件でGrokは部分的​にリクエストに応じ、女性を下着姿にするこ⁠ともあったが、それ以上の要求は受け入れなかった。 <予測可能だった> デジタル空間で女性を裸にするAI搭載のプログラムは何年も前から存在していたが、主流のプラットフォームでは確認されていなかった。 AIが生成する露骨なコンテンツに関するXの方針を追跡してきた専門家らは、Xは市民団⁠体や子どもの保護団体からの警告を無視してきたと話す。 「昨年8月、xAIの画像生成は本質的にヌード化ツールだと彼らに警告し‌た。これが現実だ」と、ミダス・プロジェクトのエグゼクティブディレクター、タイラー・ジョンストン氏は語る。 性的搾取の防止に取り組むナショナル・センタ‌ー法律部門のダニ・ピンター所長は、「完全に予測可能で、回避可能だった」と話す。ピンター氏は、XがAIの学習教材から虐待画像を削除することを怠ったとし、違法コンテ‍ンツを要求するユ‍ーザーを禁止すべきだったと指摘する。 ミュージシャンのユカリさんは反撃しようとした。しかし、彼女がXで違反行為に抗‌議すると「模倣犯」が殺到し、Grokにさらに露骨な写真の作成を依頼し始めた。 「誰からも見えなくなりたい。AIが生成したそもそも自分の体ですらないもののせいで、恥ずかしい思いをしている」

ロイター
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