ドルや国債の動きにらみ不安定な展開続くか=今週の米株式市場
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 14日からの週の米国株は、ドルや米国債の値動きをにらみながら引き続き不安定な相場展開になりそうだ。
ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、マーク・ラスチニ氏は、投資家は変転を続ける関税の状況が経済に及ぼす影響をどう織り込むべきか頭を悩ませており、相場が「非常に落ち着かなくなっている」と指摘。足元に潜む不確実性が大きく身動きが取れないので、大半の投資家はどちらかの方向に大規模なポジションを構築することには消極的だと付け加えた。
さらにドルの急落と、米国債の利回り高騰(価格は大幅下落)が、株価のボラティリティー拡大を助長。11日には主要通貨に対するドル指数が過去20年近くで初めて100の節目を割り込み、10年国債利回りの週間上昇幅は数十年ぶりの大きさになった。
こうした中で株式投資家は、警戒感を持ちながらドルと米国債の推移を見守っている。
グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッド最高投資責任者は、過去に起きた多くのリスクオフのイベントではドルと米国債が安全資産の役割を果たしたが、今回は違っていると説明する。
ドルは世界の準備通貨で、米国債はリスクフリー資産のはずなのに、そうした性格が値動きには反映されていないという。
バークレイズのアナリストチームは11日付ノートに「米国債が落ち着いて通常の動きになり始めるまで、リスク資産は苦戦を強いられるだろう」と記した。
オールスプリング・グローバル・インベストメンツのシニア・ポートフォリオマネジャー、ブライアント・バンクロンクハイト氏は、揺れ動く関税問題にもかかわらず、自社の事業環境に自信を示せる企業に目を向けていくと話す。
「このサイクルを通じて投資する能力と意欲がある企業を探すことになる」と強調した。
経済指標では16日に3月小売売上高が発表される。ただこれはトランプ氏が「相互関税」の詳細を公表した4月2日以前のデータなので、それほど重視されない見通し。
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