米記者夕食会襲撃、散弾銃構え保安検査を駆け抜ける容疑者の姿 CNNが映像分析
米夕食会襲撃、散弾銃構え保安検査を駆け抜ける容疑者
(CNN) トランプ米大統領と閣僚らが出席したホワイトハウス記者協会主催の夕食会で発生した銃撃事件について、ワシントンの連邦検察は4月30日、会場となったホテルの監視カメラ映像と事件現場の宴会場内で録音された音声を公開した。
CNNがそれらを分析した結果、コール・トマス・アレン容疑者がどの時点で発砲したのか、あるいはそもそも発砲したのかどうか、明確には判明しなかった。しかし音声分析からは事件中に合計6発の銃弾が発射されたことが示されている。これはアレン容疑者が1発、駆けつけた警官がさらに5発発砲したという捜査当局の当初の発表と一致する。
司法省は、銃撃事件の捜査はまだ初期段階にあると繰り返し指摘。30日に公開された映像証拠に関する具体的な質問には回答を控えた。
銃撃事件は4月25日に発生。CNNがその映像を分析したことで事件の経緯に関するより詳細な情報が明らかになった。これを受け、アレン容疑者が宴会場に侵入した際、当局者たちが適切な態勢をとっていたかどうかという疑問が生じている。
映像には、アレン容疑者が警察官らから約10メートル離れた位置でドアに入っていく様子が映っている。この時警察官らは保安検査用の金属探知機の撤去作業を行っており、容疑者には注意を払っていないように見える。現場は夕食会が開かれていた宴会場の一つ上の階で、容疑者が入ったのはエレベーターホールに通じるドアだ。
宴会場内ではトランプ氏やバンス副大統領、複数の閣僚、そして大勢の出席者の前に最初の料理が運ばれてきたところだった。
続いて映像には、アレン容疑者が入ったドアの向こうを、警察犬とそのハンドラーが覗き込む様子が映っている。検察側によると、アレン容疑者は身に着けた長いコートの下に散弾銃を隠していたという。警察犬は少しの時間ドアの中に入るが、具体的に何を見たのかは不明。
次の映像では、同じドアの向こうからアレン容疑者が再び現れ、保安検査区域にいた複数の警察官の方へ全力で駆け寄ってくる。
この時、警察官らはまだ金属探知機を片付けていたが、シークレットサービス(大統領警護隊)の制服警官の一人がいち早くアレン容疑者に気付き、拳銃を抜いた。ほぼ同時にアレン容疑者はもう1カ所の金属探知機をすり抜け、この制服警官に散弾銃を向けながら走り去っているように見える。警官が抜いた拳銃の銃口からは閃光(せんこう)が発生しているのが確認できる。
映像の画質が悪いため、アレン容疑者の散弾銃からの閃光は確認できない。モンタナ州立大学の音声鑑識専門家で、CNNのために音声を分析したロバート・マーハー氏によると、宴会場で録音された音声には合計6発の銃声が記録されている。
アレン容疑者がエレベーターホールに通じるドアから再び姿を現し、金属探知機を通過するまでの時間は3秒に満たなかった。
映像には、最初にアレン容疑者に気づいたシークレットサービス警官の銃口から4回閃光が発せられたのがはっきりと映っている。夕食会での保安検査を支援していた他の当局者らも、これらの銃声に反応しているように見える。
警察官がアレン容疑者を取り押さえようと駆け寄る際には、容疑者が逃走した方向から刃物とみられる二つの小さな物体が画面に滑り込んでくるのが見えた。法執行機関によると、この時アレン容疑者は刃物を所持していたとされる。
捜査当局は、アレン容疑者に向けて発砲した警察官が防弾チョッキに銃弾を受けたと主張している。司法省が29日に容疑者の弁護団に送付した書簡には、「現場から回収された破片のうち少なくとも一つは、散弾銃の弾丸1発と物理的に一致する」と記されており、これは容疑者が警察官に向けて発砲したという省の見解を裏付けるものだとしている。
しかしアレン容疑者の弁護団は、29日に検察官に送付した書簡の中で、同容疑者が実際に散弾銃を発砲して警察官を狙ったのかどうか疑問を呈している。当該の銃には大粒の散弾が装填(そうてん)されており、発砲すれば広範囲に弾丸が拡散していたはずだという。