ディープシーク、米製半導体と米から「盗んだ」技術を利用=米商務長官候補
[ワシントン 29日 ロイター] - トランプ米政権の商務長官に指名された実業家のハワード・ラトニック氏は29日、米連邦議会上院の指名公聴会で、カナダとメキシコが合成麻薬フェンタニルの密輸対策を強化すれば関税を回避できると述べた。
米国の貿易関係に「相互主義」を取り戻すため、国ごとに一律関税を課すようトランプ大統領に進言したと明らかにした。人工知能(AI)向け半導体を含む米国の技術に対する中国のアクセスを厳しく制限する考えも示した。
トランプ氏が2月1日にも表明するとしたメキシコ・カナダを対象とした25%の追加関税について、米国へのフェンタニルの流入を止めるよう圧力をかけるためだと語った。トランプ氏が就任時に命じた米国の関税や貿易協定、その他の貿易政策の広範な見直しとは別のものになると説明した。
他国との貿易における「相互主義」の回復を訴えた。これは米国の輸入品全てに一律10%の関税を課すというトランプ氏の公約に沿ったものだ。関税を課すべき方法については「国ごとにマクロで考えることだ」と述べた。
欧州の自動車関税の高さを批判し、消費者がリースを使えば最大7500ドルの税優遇が受けられる措置はできるだけ早く廃止する必要があると主張した。
<中国とのAI競争>
中国の新興企業ディープシークについて、米国から盗んだ技術や米国製の半導体を利用することで高性能のAIモデルを「極めて安く」開発できたと主張し、中国による米国技術へのアクセスに新たな制限を課すと表明。「彼らは我々のものを盗み、知的財産を奪った」と批判した。
バイデン前政権時代に始まった半導体の国内生産促進に向けた補助金については「素晴らしい『頭金』だ」と述べたが、見直す必要があるとした。補助金の根拠となるCHIPS・科学法については「それらを読んで分析し、理解したい」と語った。
鉄鋼・アルミニウム製品への関税について、適用除外が多すぎるため、簡素化する必要があると訴えた。
商務長官職との利益相反を避けるため、企業における役職を辞任することを改めて表明した。
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