「生徒たちも楽しみながら取り組み、論理的思考が身についているように感じます」という先生からの声も! 老若男女がハマる話題のビジネス書で紹介されている問題『すれ違う船の謎』とは?

 考えるまでもない単純な問題のように思えますが、そんなときこそ「批判思考」の出番です。  直感で飛びついた結論を疑って考えてみると、真実に辿り着けるでしょう。

パッと浮かぶ答えに要注意

「いや、7回でしょ」

 そんな感じで即答できそうですが、なんとなく察していただいたとおり、答えは7回ではありません。

 航海にかかる日数は7日で、1日に1隻が出発するから、計7隻とすれ違う……ように思えます。  しかしじつは、これだけでは不十分です。

問題の世界にも「過去」はある

 見落としている観点があります。  それは、海の上ですれ違うことになるのは「これからオーストラリアを出発する船」だけではないという点です。  そう……

 過去7日間でオーストラリアを出発していた船

 とも、海上ですれ違うことになります。  それらの船はすでに出発して海上にいて、日本に向かっています。

 当然、オーストラリアに向かう途中ですれ違うことになるわけです。

 つまり、こういうことです。

 ・日本の港の出発時に、オーストラリアから7日間の旅を終えて到着する1隻とすれ違う  ・日本からオーストラリアへ向かう海上で13隻とすれ違う

 ・オーストラリアの港の到着時に、いまオーストラリアを出発する1隻とすれ違う

 このように、合計15隻の船とすれ違うことになります。

「思考」のまとめ

 24時間ごとに1回すれ違うわけではなく、12時間ごとに1回すれ違うわけですね。  1日に1隻の船が出ると聞いて、「すでに海上には7隻の船がいる」と、現状の認識をアップデートできるかどうかがポイントでした。  問題の状況から思考をはじめず、そこに至るまでの「過去」にも目を向けることの大切さを教えてくれる問題ですね。

 ・時間軸を俯瞰して考えるときは、未来だけでなく「過去」にも目を向けることで、現在を正しく把握できる

(本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)

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 論理的思考問題とは、知識や計算を必要とせず、 「考える力」さえあれば正解を導ける問題を指します。

 直感で考えると、間違えてしまう。  でも、ちゃんと考えると答えがわかる。

 この本は、そんな問題をとおして読者の「地頭力」を高めていきます。  娯楽としてではなく、仕事や人生において「論理的に考える力」を養う本です。  たとえ解けなくても、解説を読んで理解するだけで「思考回路」が構築されていきます。   さあ、世界のエリートがたしなむ「最高の知的トレーニング」に挑んでみましょう。

本書の目次

 第1章:論理的思考のある人だけが解ける問題  矛盾のない真実を導けるか? ――「3人の村人」  論理の力で盲点に気づけるか? ――「3つの調味料」  裏の裏まで考えられるか? ――「天国への道」  事実を抽象化して考えられるか? ――「50%の帽子」

 法則の攻略法を見抜けるか? ――「シュレディンガーの猫」    など、12問

 第2章:批判思考のある人だけが解ける問題  事実を疑って考えられるか? ――「消えた1000円」  直感の落とし穴に気づけるか? ――「2回目の競走」  思考の盲点に気づけるか? ――「すれ違う船の謎」  「数字」の罠を見抜けるか? ――「不思議な給料アップ」  仕組まれた戦略に気づけるか? ――「三つどもえの選挙戦」

 すべてを疑う勇気はあるか? ――「正直者と嘘つきの島」     など、14問

 第3章:水平思考のある人だけが解ける問題  やわらかい頭で考えられるか? ――「熊の色は?」  先入観を捨てた発想ができるか? ――「2本の線香」  解決すべき「真因」に気づけるか? ――「4つのボート」  逆転の発想をする力はあるか? ――「のろのろ馬レース」  狭い視野から抜け出せるか? ――「天秤と9枚の金貨」

 あらゆる情報を発想の糧にできるか? ――「投票結果のカウント」 など、13問

 第4章:俯瞰思考のある人だけが解ける問題  冷静に状況を俯瞰できるか? ――「3つのフルーツボックス」  隠された事実を炙り出せるか? ――「見落とした印刷ミス」  時間を超えて状況を俯瞰できるか? ――「異国のレストラン」  状況が示す意味を見抜けるか? ――「赤青のマーク」  他者の思惑まで俯瞰できるか? ――「ダイヤル錠の部屋」

 思考の闇を手探りで進んでいけるか? ――「隠された運動会」   など、12問

 第5章:多面的思考のある人だけが解ける問題  視点を変えて考えられるか? ――「泥のついた2人」  他者の思考を読み取れるか? ――「髪が乱れた3人」  未来の展開を見通せるか? ――「3人の射撃戦」  「もしも」の「もしも」まで考えられるか? ――「8枚の切手」

 何手も先の思考を読み取れるか? ――「ドラゴンの島」      など、12問

 第6章:すべてのはじまりになった問題  すべての論理的思考を総動員できるか? ――「石像の部屋」

頭のいい人だけが解ける論理的思考問題

野村裕之 著

<内容紹介>

答えのない時代を生き抜くには「考える力」が必要だ。論理的思考、批判思考、水平思考、俯瞰思考、多面的思考、5つの思考力を鍛える67の知的トレーニングを紹介。必要なのは「地頭力」だけ。Google、Microsoftなどの入社試験でも出題される問題で世界レベルの「考える力」が手にはいる!

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