京大・東北大・高輝度光科学研究センター・分子科学研、小惑星リュウグウの砂つぶから塩の結晶を発見
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【プレスリリース】発表日:2024年11月21日
小惑星リュウグウの砂つぶに発見された塩の結晶
―太陽系の海洋天体とのつながりを知る新たな手がかり―
■概要
京都大学白眉センターの松本特定助教らは日本の探査機「はやぶさ2」が回収した小惑星リュウグウの砂つぶから、微小な塩の結晶を発見しました。これらはリュウグウの母体となる天体を満たした塩水が蒸発や凍結によって失われた時に析出した鉱物です。同じく塩類が見つかっているエンセラダスなどの海洋天体とリュウグウの水の環境とを比較する研究につながります。
[ポイント]
・リュウグウの砂つぶを電子顕微鏡などの分析を駆使して観察した結果、ナトリウム炭酸塩、岩塩、硫酸塩を含む塩の結晶が発見されました。
・ナトリウム炭酸塩や岩塩は、木星の衛星エウロパや土星の衛星エンセラダスなど内部に海をもつ天体の表層にも、海の成分の析出物として見つかっています。塩の結晶はリュウグウとこれらの海洋天体の水の成分や進化を比較できる新しい手がかりになると期待されます。
・塩結晶はリュウグウの母天体を流れた塩水が蒸発したか凍結した際に成長したと考えられます。現在のリュウグウは液体で満たされておらず、どのように母天体から液体が失われたのかこれまで謎でした。塩の結晶は、液体の水が消えていった道筋を示した初めての証拠でもあります。
※図は添付の関連資料を参照
本成果は2024年11月19日(日本時間)付で国際科学誌「Nature Astronomy」に掲載されました。研究グループは松本徹特定助教(京都大), 野口高教授(京都大),三宅亮教授(京都大), 伊神洋平助教(京都大), 松本恵助教(東北大), 矢田達主任研究開発員(JAXA), 上椙真之主幹研究員(JASRI), 安武正展研究員(JASRI), 上杉健太朗主席研究員(JASRI), 竹内晃久主幹研究員(JASRI), 湯澤勇人技術職員(IMS), 大東琢治准教授(KEK), 荒木暢主任研究員(IMS)で構成されています。
※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
図
https://release.nikkei.co.jp/attach/682419/01_202411211427.jpg
添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/682419/02_202411211427.pdf
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