若き星々が照らす幻想的な光景 ハッブル宇宙望遠鏡が観測した星形成領域「N11」

こちらは、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した約16万光年先の星形成領域「N11」のクローズアップ。

若くて高温な大質量星の力強い輝きがガスと塵(ダスト)の雲を青白く照らすとともに、雲の高密度な部分がシルエットとして浮かび上がる、幻想的な光景が捉えられています。

【▲ ハッブル宇宙望遠鏡(HST)が観測した大マゼラン雲(LMC)の星形成領域「N11」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Murray, J. Maíz Apellániz)】

ESA=ヨーロッパ宇宙機関によると、N11は天の川銀河の衛星銀河(伴銀河)のひとつである「大マゼラン雲(LMC: Large Magellanic Cloud、大マゼラン銀河とも)」で2番目に大きな星形成領域です。

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で2002年から2003年にかけて取得したデータと、「広視野カメラ3(WFC3)」で2022年から2023年にかけて取得したデータを使って作成されました。

ACSによる観測は、N11で星団をなす若い星々(質量は太陽の0.1倍~100倍と広範囲)をすべてカタログ化する取り組みの一環として実施。その20年後のWFC3による観測は、星団を囲む塵が豊富な雲に焦点を当てた研究の一環として実施されたもので、宇宙塵の新たな視点をもたらしたということです。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、ESAから2025年9月8日付で公開されています。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部

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