グーグル・ディープマインド、AIを活用して100年来の流体力学の課題の解決法を発見(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)
流体の動きを予測するのは、科学者にとって難しいことだ。グーグルのディープマインドはこの分野で最近、目覚ましい進展を遂げた。筆者は物理が苦手であるため、娘のノラにこの重要性について説明してもらった。 1世紀以上にわたり、数学者と物理学者は流体の動きの無秩序な性質、例えば空気が飛行機の翼のまわりをどのように渦巻くか、あるいは水がパイプの内部でどのように攪拌するかといったことの解明について取り組んできた。グーグル(Google)のディープマインド(DeepMind)は最近、この分野でAI(人工知能)を活用して大きな進歩を遂げた。 【全画像をみる】グーグル・ディープマインド、AIを活用して100年来の流体力学の課題の解決法を発見 投資家などがAIについて桁外れなコストの価値があるかどうか疑問を投げかけているが、ディープマインドのこのような重要な取り組みについて知ることは心強い。これは、AIが真の価値を生み出す好例だ。 ご存知の通り、ディープマインドはグーグルが10年以上前に買収した、AIの先駆的な研究機関だ。数学やゲームの天才、デミス・ハサビス(Demis Hassabis)が率いており、AIがますます重要になるにつれ、彼はグーグルで急速に昇進していった。 私は高校1年のとき、物理の成績は最低だった(本当に)。ディープマインドが最近発見したことの重要性を説明するために、ワシントン大学で機械工学と流体力学を学んでいる娘のノラ・ウーリー(Nora Woolley)に相談した。 ノラにディープマインドのブログや研究論文を見せると、彼女は気づいたことと、数学や物理が苦手な人に向けた説明を返信してくれた。 「流体力学と物理全体に大きな影響を与える可能性がある」とノラは私に返信した。
では、ノラの助けを借りて、詳細について説明しよう。 流体はあまりにも予測不可能であり、その動きをモデル化するために方程式を使って完全に解くことは不可能だ。物理学者はこれらの方程式を使うために、一定の粘度や、圧力下でのなめらかな変化といったことを仮定しなければならない。 シンプルなシナリオでも、方程式が無限の圧力やありえない速度の急上昇といった極端な結果を予測する「暴発」を引き起こす可能性がある。これらは特異点と呼ばれ、数学では流体の物理的な動きを予測できない瞬間をいう。 特異点は、安定であるか、もしくは不安定である。安定した特異点は見つけやすいが、不安定な特異点を特定するのは非常に困難だ。