届いたメールを端末に保存するのは時代遅れ?GmailがPOPサポート終了へ(スマホライフPLUS)

Googleは、Gmailで他のメールサービスをPOP経由で受信する機能を、2026年1月で終了すると発表しました。同時に、Gmail以外のメールをGmailの機能(迷惑メール対策など)で利用できる「Gmailify」機能も廃止されます。 ここで重要なのは、「@gmail.com」のメールアドレスが使えなくなるわけではないということです。今回終了するのは、あくまで「GmailのWeb画面を使って、プロバイダメールをPOPで受信する」といった使い方をしている場合です。その代替として、GoogleはIMAP(Internet Message Access Protocol)への移行を推奨しています。

今回の変更を理解するには、POPとIMAPの違いを押さえることが重要です。それぞれの仕組みを、身近な郵便に例えてみましょう。 ■POP(ポストオフィス・プロトコル)

POP(ポストオフィス・プロトコル)は「郵便局(サーバー)から手紙(メール)を自宅(端末)に持ち帰る」方式です。メールソフトがサーバーに新しいメールがないか確認し、あればすべて自分のパソコンやスマートフォンにダウンロードします。 一度受信すれば、オフラインでも閲覧でき、端末内の操作も軽快です。これは、ガラケーや一家に一台のPCでメールを管理していた時代に適した方式でした。 ■IMAP(インターネット・メッセージ・アクセス・プロトコル)とは? 一方、IMAPは「郵便局(サーバー)にある私書箱の手紙を、いろいろな場所から見に行く」方式です。メールデータは常にサーバー上にあり、パソコンやスマートフォンなどの端末は、サーバーにアクセスしてメールを表示します。 端末にはデータそのものをダウンロードしないため(一時的なキャッシュを除く)、すべての端末でメールの状態(既読・未読・削除など)が同期されます。パソコンで読んだメールは、スマホでも既読になります。どの端末でも同じメールボックスを扱えます。 GmailやYahoo!メールのようなWebメールサービスは、このIMAPの仕組みをベースに作られています。 ■なぜPOPは「時代遅れ」になったのか? GmailがPOPのサポートを終了する理由を、Googleは「セキュリティ向上のため」と説明していますが、実際にはライフスタイルの変化が大きな要因です。 かつてメールは1台のパソコンで確認するのが当たり前でした。しかしスマートフォンの登場により、私たちは自宅のPC、会社のPC、個人のスマホ、タブレットなど、複数のデバイスを使い分けるのが日常になりました。このようなマルチデバイス環境では、メールを端末に縛り付けてしまうPOPは非常に不便でしょう。 外出先でスマホから送ったメールが、帰宅してPCを開くと見られない、といった事態が起こります。その点、どこからでも同じ環境にアクセスできるIMAPは、現代のニーズに合致していると言えるでしょう。

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