天使の翼のような相互作用銀河「VV689(Angel Wing)」

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:sorae 宇宙へのポータルサイト)

こちらは、soraeが2022年4月18日の記事で紹介した相互作用銀河「VV689」です。VV689は、しし座の方向に位置する、衝突・合体の最中にある2つの銀河から成る系の名称です。複雑に重なって見える他の相互作用銀河とは異なり、VV689はほぼ左右対称で、まるで翼を広げたように見えることから “Angel Wing(天使の翼)” の愛称でも知られます。

  • Image Credit: ESA/Hubble & NASA, W. Keel.; Acknowledgement: J. Schmidt
  • sorae - 「天使の翼」ハッブルが撮影。この歪んだ銀河の正体は
  • ESA/Hubble - Hubble Inspects a Set of Galactic Wings

VV689は、市民参加型の天文学プロジェクト「Galaxy Zoo」で見出された銀河の一つです。10万人以上のボランティアが参加した同プロジェクトでは、未分類の約90万個の銀河が分類されました。専門の天文学者なら何年も要しかねない作業を、ボランティアはわずか175日でやり遂げたとされています。

ESAによれば、Galaxy Zooでは相互作用銀河をはじめとする珍しく見事なタイプの銀河が数多く見つかり、その一部は従来ほとんど研究されていませんでした。そこでGalaxy Zooは、ハッブル宇宙望遠鏡による追加観測の対象を選ぶため、2018年に一般投票を実施。約1万8000票の投票の結果、VV689やIC 2431を含む300個の銀河が選ばれました。2022年2月時点では、その約半数にあたる146個の観測が行われたと報告されています。

【▲ 相互作用銀河「VV689」(Credit: ESA/Hubble & NASA, W. Keel.; Acknowledgement: J. Schmidt)】

編集/sorae編集部

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