来週の円は上昇か、日銀タカ派観測の流れ継続-トランプ氏発言は警戒
船曳三郎
来週の円相場は上昇しそうだ。日本銀行の利上げ後の声明文がタカ派的と受け止められ、円買いが強まった流れが継続する可能性がある。一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)は利下げ見送りが予想されており、ドル高圧力が円の上値を抑えるとの見方もある。トランプ米大統領の不規則な発言にも警戒が必要だ。
市場関係者の見方
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト
- FOMCは利下げ見送りが予想され、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長も3月に向けて利下げに前向きな姿勢を示せず、ドル高バイアスが強い
- 同時に、日銀決定会合を受けた円高の流れも引き継ぎそうだ。次回の利上げは7月と予想され、ドル高に押されながらも円高圧力の方が強そうだ
- トランプ大統領の発言は相場のかく乱要因で、為替に影響する内容には反応せざるを得ない面もある
大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジスト
- 日銀決定会合後の円高水準を維持したまま今週の取引を終えれば、来週はテクニカル的にも円高方向の流れが強まる可能性がある
- 日銀の植田総裁などからよほどハト派的なメッセージが出てこない限り、円安方向に戻っていくのは難しい印象だ
- FOMCは無風で通過しそうだが、利下げ見送りに対するトランプ大統領の発言には注意が必要
週間予想
(ブルームバーグ為替レート予想モデル)
1ドル=152円93銭-157円68銭 1週間物予想変動率 10.7650% 1週間物リスクリバーサル 0.7775%の円コールオーバー来週の主な予定
- 29日:日銀金融政策決定会合の議事要旨(昨年12月18・19日分)と議事録(2014年7-12月分)公表
- 29日:FOMCが声明発表、パウエルFRB議長会見
- 30日:日銀の氷見野良三副総裁が講演、2月の日銀国債買い入れ予定公表
- 30日:欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表、ラガルド総裁会見
- 30日:昨年10-12月の米国内総生産(GDP)速報値
- 31日:1月の東京都区部消費者物価指数(CPI)
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