「家族ごと潰していいんだね」証拠隠滅も… 内田梨瑚被告22日に判決へ 弁護側は殺人罪否認

旭川市で女子高校生を橋から転落させ殺害した罪などに問われている内田梨瑚被告(23)の裁判では、2026年6月22日に判決が言い渡されます。

裁判の争点は、殺人の実行行為や殺意があったのかどうか、共犯者との共謀の有無などです。

内田被告は殺人と不同意わいせつ致死、監禁の3つの罪に問われていて、起訴状などによりますと2024年4月、旭川市の神居大橋で留萌市に住む女子高校生(17)を全裸にしたほか、橋の欄干に座らせ「落ちろ」「死ねや」と言うなどして川に落とし殺害したとされています。

内田被告は5月25日の初公判で、起訴内容について「私には殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」と述べ、殺人罪などについて否認しました。

5月27日の裁判には、内田被告と同じ罪に問われ、すでに懲役23年の有罪判決が確定している小西優花受刑者が証人として出廷し「梨瑚さんが肩甲骨のあたりを両手で押しました。(女子高校生の)姿が一瞬で消えました」と証言。内田被告と小西受刑者の主張は、真っ向から対立しています。

また、この事件を巡っては監禁に関わった少年(当時16)が少年院送致され保護処分に、少女(当時16)は保護観察となっています。

【冒頭陳述】弁護側が主張する“事件の流れ”

弁護側は「(被害者から)受け取った4000円と被害者の携帯電話を置いて立ち去っている。つまりそれは殺意がなかった一つの証拠」などとして殺人罪について否認。

さらに、被害者を全裸にしていることから不同意わいせつ罪については認めたものの、全裸にしたことと橋からの落下には因果関係がないなどとして、不同意わいせつ致死罪にあたらないと主張しています。

以下、弁護側の主張

・内田被告と女子高校生は、事件前に面識はなかった

・発端は、女子高校生が内田被告の顔写真を無断で自身のインスタグラムに掲載したこと

・内田被告は女子高校生に電話し、当時一緒にいた少年に脅し文句を言わせて、女子高校生の親と話をしたいと求めた

・女子高校生がそれを嫌ったため、内田被告らは直接会うために留萌の道の駅へ向かった

・女子高校生は母親に相談することなく1人で道の駅に現れ、内田被告の車の助手席に乗り、現金4000円を内田被告に渡した

・内田被告は女子高校生を車に乗せたまま旭川市内に戻り、少女と小西受刑者を車に乗せ、少年を自宅へ送り届けた

・内田被告らは女子高校生に月々5万円の支払いをさせる合意をして、コンビニエンスストアのトイレに立ち寄った

・このとき、女子高校生が店員に助けを求めたが、内田被告らは女子高校生をレジから引き離し、コンビニ内や裏で暴行を加えた

・内田被告は少女を自宅に送り届け、3人で神居古潭へと向かった

・神居古潭で内田被告は、女子高校生を全裸にし、土下座させ、その様子を携帯電話で撮影

・橋の上に移動して、小西受刑者が女子高校生に暴行を加えた

・このとき、少年から電話がかかってきたため、内田被告は約8分間、テレビ電話で橋の上の様子を見せた

・内田被告と小西受刑者は、女子高校生を橋の欄干に座らせて謝罪する様子を撮影

・その後、携帯電話を置き「勝手に帰れば」と立ち去った

・内田被告と小西受刑者が駐車場へ向かっている途中で「キャー」という叫び声とダンッという大きな音が聞こえた

【冒頭陳述】検察が主張する“事件の流れ”

検察は「橋から突き落としていないとしても、転落させるに至った行為が殺人の実行行為と言える」と主張しています。

以下、検察側の主張

・女子高校生が内田被告の写真を無断でSNSに投稿したことが事件の発端

・無断使用を知った内田被告と小西受刑者は、暴行を加えて示談金名目で金を払わせようと考え、50万円を要求した

・内田被告は合流した少年に「どう落とし前つけんの。誰にけんか売ってんの」などと暴力団構成員のふりをさせ、自らも「じゃあ家族ごと潰していいんだね」などと脅し、女子高校生を留萌の道の駅に呼び出した

・道の駅で女子高校生を車に乗せ「お前黙ってろよ。バッタバタにしてやるから(暴力を振るってぼこぼこにするという意味)」などといい、女子高校生の監禁を開始

・内田被告は小西受刑者に誓約書の作成を指示し、その後、旭川市内で少女と小西受刑者と合流した

・少年を自宅へ送り届けたあと、コンビニエンスストアに立ち寄り、トイレに行きたがった女子高校生の手を小西受刑者がつかんで入店

・トイレから出てきた女子高校生が「すいません。助けてください。通報してください」と助けを求めたところ、内田被告らは従業員にうその説明をして口止めし、店舗裏で女子高校生に暴行を加えた

・その後、女子高校生は、服が汚れたという理由で座席に座ることは許されず、後部座席の床の上に座らされ、神居古潭まで連行された

・神居古潭の駐車場の車内で女子高校生は全裸にされ、服は草むらに投棄された

・内田被告らは女子高校生に土下座して謝罪させ、その様子を動画で撮影して神居大橋へ連行した

・少年からかかってきた電話をビデオ通話に切り替え、小西受刑者が馬乗りになって女子高校生の顔面を拳で殴り、両手で首を絞める様子を見せた

・内田被告らは、女子高校生を橋の欄干に座らせて再度謝罪させ、殺意をもって「落ちろ」「死ねや」などと何度も怒鳴ったほか、何らかの有形力を行使して、女子高校生を石狩川に転落させて殺害した

・さらに内田被告らは、女子高校生の携帯電話のデータを削除し、車でひいて損壊して川に投棄したほか、別々の場所にいるかのように装う内容のメッセージを送るなど、証拠隠滅行為などを行った

検察は6月8日の裁判で「被害者の人格、尊厳を踏みにじるもので身勝手極まりない犯行」と指摘し、「主犯であることは明らかで最も重い責任を負うべき」として懲役27年を求刑しました。

一方、弁護側は「偶発的に起きた計画性のない犯行」、「すべて内田被告の責任とは言えない」などと主張し、情状酌量を求めています。

裁判は6月8日に結審し、22日に判決が言い渡されます。

※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。

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