亡き祖父は、2台の「写ルンです」で何を撮っていたのか? 現像すると、そこには…
昨年2024年2月に祖父(以下じーちゃん)が他界した。94歳、大往生。
そんなじーちゃんを追うように、昨年12月の年末も年末、祖母(以下ばーちゃん)も他界した。92歳、大往生。
じーちゃん、ばーちゃんも、本当にお疲れ様でした。由緒正しき羽鳥家のことは、オレにまかせろ。
そんなじーちゃんばーちゃんがいなくなった無人の家を、残された羽鳥家の面々で片付けていると……
引き出しの中に、懐かしの使い捨てフィルムカメラ『写ルンです』が入っていた。
従兄弟に聞くと、「写ルンですで遊んでいた従兄弟を見て、じーちゃんも写ルンですを欲しがったので買ってきてあげた」とかなんだとか言っていた。
写ルンですは2台あり、
ものすごく几帳面に保管されていた。じーちゃんは本当に丁寧で几帳面。そんな性格を、私も受け継いだ気がする。
また、じーちゃんは何かにハマるととことん突き詰める性格。「まっすぐ」でもあるし「超集中型」とも言える。そんな性格もまた、私は受け継いだのだろう
・お店に現像をお願いして、まずビックリ
写ルンですの残量を見ると、ともにゼロ。どちらも撮り切っているもよう。ここまで撮って、なぜ現像しなかったのだろう……? ちなみにカメラ自体の有効期限は2021年5月と、2022年2月だった。
じーちゃんは、いったい何を撮ったのか。2台も使って何を撮ったのか。その真相を確かめるべく、この2台の写ルンですは孫の私が預かることに。
〜後日〜
近所のカメラ屋さんに行って現像をお願いした。データにもできるとのことだが、紙で見たい家族もいるだろうと、「紙への現像と、データで」と注文した。
〜翌日〜
カメラ屋さんに写真を受け取りに行くと、しっかりと現像できていた。
チラ見えする写真が、すでにエモい。早く持ち帰って確認したいので、お会計をお願いすると──
「5060円です」
ホゲエエエエエエエエエ!
たけえええええええええ!
でも、そんなもんか。フィルムカメラに凝っていたとき、だいたい現像代は1500円とかだった。それが2つ。さらにデータもあるから……そんなもんか……。
フィルムだと、1枚1枚の重みが違う。また、現像してみないと「どう写ってるのかがわからない」という楽しみもある。
そんなドキドキ×2で5000円なら、アトラクションとして考えれば妥当な気もする。それが、むしろ、おもしろい。
で、いよいよじーちゃんの撮った写真を確認してみたところ……
すべて、
1枚残らず、
植木の写真だった……。“ハマったら、ずっとソレ”。私もそれをよくやるが、じーちゃんも同じことをしていた。
盆栽もあれば、
季節の花もあり。
惜しいと思ったのは、日付が入っていないこと。いつ撮った写真なのかがわかれば、さらに味わい深いものになったのに……。
ちなみに最後の写真は、
雪の日の写真だった。
いつの雪だろう。大雪だった2018年? でも、そこまで積もっていないので、2022年とかなのかしら……?
いずれにしても、じーちゃんは2台の「写ルンです」で、ひたすら植木を撮影していた。人物は一切写さず、ただただ植物を撮っていた。
じーちゃんもばーちゃんもいなくなったが、これら植木は、まだ祖父母の家に置いてある。
盆栽、受け継ごうかな。なんかじーちゃんが「GOにまかせた」って言ってる気がする。
執筆:GO羽鳥 Photo:RocketNews24
▼単なる包装も「写ルンですケース」にしてしまう器用な祖父。さすが!