さよならの前に... カッシーニがグランドフィナーレ最終局面に撮影した土星系(2017年9月13日)

【SAPOD】今日の「宇宙画像」です。soraeが過去に紹介した特徴的な画像や、各国の宇宙機関が公開した魅力的な画像、宇宙天文ファンや専門家からお寄せいただいた画像を紹介しています。(文末に元記事へのリンクがあります)

(引用元:NASA)

NASAの土星探査機カッシーニは、最終ミッション「グランド・フィナーレ」の最終局面にあたる日本時間2017年9月13日、土星や環、衛星をとらえた多数の画像と観測データを取得しました。カッシーニは9月15日(UTC)に土星大気へ制御突入し、通信が途絶してミッションを完了しています。今回は、その2日前に撮影された画像の中から6枚を紹介します。

沈みゆくエンケラドス

エンケラドゥスは土星の氷衛星で、南極域の“氷の噴出(間欠泉)”が観測されており、地下海が存在すると考えられています。

最後に見たタイタン

タイタンは土星最大の衛星で、濃い大気に覆われ、表面にはメタンやエタンの湖や川があり、地下海をもつ可能性が高い天体です。

終盤に撮影した環の風景

土星の環は、主に氷の粒や氷混じりの岩片からなる非常に薄い“粒子の円盤”で、A環・B環・C環などに分かれ、衛星の重力作用で隙間や波(間隙・プロペラ・縁波)が形づくられる構造です。

土星へ突入直前

グランドフィナーレ最終局面に取得されたこの土星は、北半球の雲帯やターミネーター付近の陰影を鮮明にとらえた“終幕直前の土星”を記録した一枚です。

ダフニスの最後の姿

土星A環のキーラー間隙の縁で、小衛星ダフニスが引き起こす波をとらえた一枚です。

孤独なプロペラ構造

土星A環の細かな縞の中に浮かぶ“プロペラ”構造。環に埋め込まれた小さな衛星が粒子分布を乱して生じており二枚羽根状に見えます。(画像では、中央の黒い間隙の左上側に、うっすらと白い箇所が捉えられています。)

今回ご紹介した画像は、NASAが「Cassini’s Final Images」として公開している、カッシーニのグランドフィナーレ最終局面に撮影された画像群に含まれています。

編集/sorae編集部

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