観客が見守る中で突然、戦闘機が急降下して墜落、爆発炎上…ドバイの航空ショーで発生した悲劇(ニューズウィーク日本版)

多くの飛行機を実際に飛行させ、その様子を見せる航空ショー。航空ショーは厳密なルールに基づいて運営されており、観客も安全のため厳しい規則に従うことになるが、それでも事故は起きる。 【動画】観客が見守る中、戦闘機が墜落し、爆発炎上する様子 事故は11月21日、ドバイの航空ショーでも発生した。 21日、ドバイの航空ショーで飛行していたインドの戦闘機、テジャス機が墜落し、パイロットが死亡した。 墜落の様子は、目撃者によってSNSで拡散された。 インド空軍はX(旧ツイッター)に「インド空軍はこの尊い命の喪失を深く悼み、この悲嘆の時に遺族と固く寄り添う。事故原因を究明するための審問会が設置されている」と投稿した。 インド統合防衛幕僚本部もXに「アニル・チョーハン統合参謀総長とインド軍全階級は、本日ドバイ・エアショーでIAFテジャス機が空中展示中に事故に遭ったことを深く遺憾に思う。パイロットは事故で亡くなった。我々はこの命の喪失を深く悼み、この悲嘆の時に遺族と固く寄り添うものである」と投稿、パイロットに哀悼の意を示した。 航空ショーの開催場所であったドバイの報道局もXに「本日のドバイ・エアショーの飛行展示に参加していたインドのテジャス戦闘機が墜落し、パイロットが悲劇的に死亡した。消防および救急隊は迅速に対応し、現在現場で状況を管理している」と状況を伝えた。 本誌は、ドバイ・エアショーの主催者、インド外務省、テジャス戦闘機を製造するヒンドゥスタン・エアロノーティクス(HAL)にコメントを求めている。

事故は現地時間の午後2時10分頃、航空ショーで機動を実行している最中に発生した。 事故を起こしたテジャス機はインドの国産機。HALが開発した第4.5世代の全天候型多用途戦闘機だ。テジャスMk1Aの改良型は10月17日に初飛行を成功させている。 AP通信によると、墜落前日にインド政府の広報局が、テジャス機が航空ショーでオイル漏れを起こしたというSNS投稿を否定し、そのような投稿は戦闘機の確立された技術的信頼性を根拠のない主張で貶めようとするものだと述べたという。 しかし、航空ショーでの墜落を受け、SNSでは様々な声が湧き上がった。あるインド人はXに「もしインドの航空機が基本的な機動すらこなせないのだとしたら、より深刻な疑問が浮かぶ。我々のパイロットはこれらの機体に対して十分な訓練を受けているのか。毎回航空機を責めるのではなく、訓練、準備、規則のどこかに問題が起きていないか正直に見直すべきではないのか」と投稿した。 タイムズ・オブ・インディアによると、以前の試験飛行ではソフトウェア関連の不具合に見舞われ、HALは機体が完全に認証される前に改修を行う必要があった。加えて、武器およびレーダー統合試験を無事に完了することが、インド空軍への正式配備の前提となると付け加えた(インドは数十年使用しているミグ21を国産戦闘機で置き換えようとしている)。 インドはドバイ・エアショーで強い存在感を示していた。しかし、この事故はインドの防衛産業輸出に影響を及ぼす可能性もある。

アミラ・エルフェッキ、シェーン・クローシャー

ニューズウィーク日本版
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