日本の味方はどこの国? 日中対立に揺れるアジア 関係強化のインド、漂流する韓国

「日中関係の緊張は周辺地域の状況をより困難にさせているものの、インドと日本にとっては安全保障と経済協力を強化する大きなきっかけとなる」 印紙「ヒンドゥスタン・タイムズ」は24日、上述の内容の記事を掲載した。記事では日中の関係性が「安定的な不安定さ」にあるとしたうえで、中長期的に続くと見られるこの問題を機に、日印関係の重要性がさらに増すことを指摘している。同紙は23日にも「アメリカの安全保障が脆弱な状態にあるなか、中国が日本を『見せしめ』にし、アジアの覇権を握ろうとしている」などと中国の外交姿勢を分析するコラムを掲載した。 モディ首相は22日から開催されたG20サミットにおいて、高市首相と会談する様子を自身のXアカウントで日本語と英語で発信し、「両国の交易関係がさらに強化されることを望んでいる」とする内容を投稿した。 全方位外交・戦略的自立外交で知られるインドだが、アメリカとは関税問題を、中国とは国境問題などを抱えている。インド太平洋周辺の地政学リスクが上昇するなか、比較的安定している日本との関係を強調することは自然な流れと言えるだろう。 一方、北朝鮮問題と中国へのトラウマを抱える韓国は、日中双方に「どっちつかず」の状況が続く。 「中立的であることは安全とは言えず、そのスタンスを長く続けられそうにもない」 韓国紙「中央日報」は23日、日中の間で揺れ動く韓国政府の姿勢を分析する記事を掲載した。 同紙は「日米韓のなかで比較的弱い繋がりで結ばれていた韓国をターゲットにしてきた中国が、今回はその中心にいる日本をターゲットにし、他のアメリカ同盟国に警告を送っている」と指摘する専門家の意見をもとに、「日中関係の膠着状態が長引けば、韓国は何らかの立場を取らざるを得ない可能性がある」と報じた。 韓国には大っぴらに立ち場を表明しづらい背景がある。 2017年に米軍のミサイル防衛システムを配備した韓国は、中国から「地域の安全保障バランスを乱す」として激しい“制裁”を受けた。中国政府は韓国製品のボイコットを主導しただけでなく、韓国政府へのサイバー攻撃への関与、韓国の最大手「ロッテグループ」の中国市場からの締め出しなど複合的な圧力をかけ、韓国経済は深刻なダメージを受けた。この件は韓国国民の対中感情を急激に悪化させたと同時に、中国から同種措置を取られることへの将来的な懸念を生んだ。 韓国の立場をさらに複雑にしているのは、トランプ大統領の外交政策だ。 中央日報は24日、電話会談で日中の関係悪化に直接的な関与をしなかったトランプ大統領について「取引優先型のトランプ外交は、同盟国の安全保障よりアメリカの利益を優先する。韓国も例外ではない」などとする社説を掲載し、米韓の同盟関係に新たな「試練」が課されることへの懸念を表明した。 日中米の間を漂流する韓国だが、その姿勢を肯定的にとらえる声もあがる。 韓国の英字紙「コリアタイムス」は社説で、韓国政府が「洗練された並行外交」を実施する必要性を論じた。同記事では、日中韓首脳会談の開催が見通せなくなるなど3国間の対話チャンネルは消失したものの、李在明大統領が日中双方との2国間対話を維持できていることを評価。「日本との安全保障協力を深化させながら、中国との経済的相互依存関係と外交的対話も確保すべき」と訴えた。 「巻き添え」恐れる東南アジア諸国、親中なのに中華系メディアから一斉批判されるシンガポール…【続きはこちら】に続く

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