4万円と1.4万円のドック、比較して選んだのは4万円。期待以上の価値をくれた理由って?(ライフハッカー・ジャパン)
コロナ禍の慌ただしい時期に整えた自宅デスク。最低限の環境で仕事はできていたけれど、あれから数年。 【全画像をみる】4万円と1.4万円のドック、比較して選んだのは4万円。期待以上の価値をくれた理由って? リモート会議も増え、作業アプリも増え、急造デスクに物足りなさを少しずつ感じていませんか? 私もそのひとり。USB-Cハブで解決はできていながらも、安定感やポートの数に不満がありまして……。そこで今回、デスクを現代的にアップデートする方法として、ドッキングステーションに注目。厳選したのは、値段が大きく違う以下の2つです。 約1.4万円の「Anker PowerExpand 9-in-1 USB-C PD Dock」 約4万円の「Anker Prime ドッキングステーション (14-in-1, Triple Display, DisplayLink)」 この2台をメーカーから借りて、実際に書斎のデスクで使い倒してみました。そして、どちらを導入すべきか? が明確になったので共有します。 【この記事はこんな人にオススメ!】 現在のデスク環境には、さまざまな機器をつなげるためのポートが足りなくなってきている パフォーマンスが高く安定感があり、デスク作業をスムーズにしてくれるドッキングステーションが欲しい! 豊かなポート数を揃えていながらコンパクトでスペースを取らないドッキングステーションを探している
小さくて、控えめ。でも必要な機能は一通り揃っているのが、「PowerExpand 9-in-1(以後PowerExpand )」。 デスクに置いても主張しない、ミニマルなデザイン。それいて落ち着いた金属質な質感も感じさせられて、『ちょっと良いガジェット置いてるな』という静かな存在感があります。 ポートはシンプル。必要なものがまっすぐ揃っています。 【前面】 USB-C(5Gbps, 20W)/USB-A 3.0(5Gbps) PCとの接続用USB-C(5Gbps, 60W) イヤホンジャック 【背面】 HDMI/DisplayPort(どちらも最大4K 60Hz対応) 有線LAN(1Gbps対応) USB-A 2.0(480Mbps)×2 見た目と同じく誠実なつくり。 アクセスの多いUSB-AとUSB-Cポート類が前面に備わり、背面ではモニター出力や有線LANにも対応。そして多ポートを同時に使っても発熱が控えめで、USB-Cハブよりも明らかに動作は安定しています。 あきらかにハブを上回る、使い勝手と安定感で、ドッキングステーションを選ぶ理由を感じさせられますね。 とはいえ、使い込むほど「上限」も見えてきます。 まず、SDカードリーダーがないのは写真を扱う私には痛いポイント。背面USB-AもUSB2.0のみで、高速なSSDをつなげないのも拡張性として惜しいところです。 さらに、macOSの仕様上、Macでは外部1画面までという制約もあり、ここはデスク環境の成長性を考えると悩ましい部分。 とはいえ、持ち歩き用のUSB-Cハブと比べれば、拡張ポートは強化され、使い勝手も安定。 「ミニマルな構成で、日常の不便だけサクッと解消したい」 そんな人には、最初のアップデートとして非常にマッチした1台ですね。
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PowerExpandが「必要十分な1台」だとすれば、「Anker Prime ドッキングステーション (14-in-1, Triple Display, DisplayLink)(以後Prime)」は「デスク環境そのものを底上げする」役割を担ってくれます。 Primeはポートがとにかく充実していて……以下の構成に。 【前面】 ・USB-C(10Gbps, 100W)×2 ・USB-C(5Gbps, 100W)×1 ・SDカード/microSDカードスロット ・イヤホンジャック 【背面】 ・PCとの接続用USB-C(10Gbps, 140W) ・USB-A(5Gbps)×2 ・USB-A 2.0(480Mbps)×1 ・HDMI×2(8K 30Hz) / DisplayPort×1(8K 60Hz) ・有線LAN(2.5Gbps) ポートの扱いやすさは圧倒的ですね。USBは高速なポートが揃っていますし、SDカードもOK。なんでもかんでも接続しておけるので、心配事がなくなります。 そして斬新なのが、フロントディスプレイの出力W数の表示。 スマホやカメラを充電したときに、いま何Wで給電されているか?がパッと分かるので、機器への理解(解像度)が自然と上がるのです。 「このケーブル、ちゃんと高速で動いてる?」 と迷うことが減るのは、小さいことのようで大きな快適さに感じました。 このドッキングステーションを選ぶ最大の理由が、この多画面出力。 私が使うM2 MacBook Airは本来、外部1画面までしか出力できません。作業用途によっては、この画面が足りない問題が大きな壁になります。 Primeは映像出力にDisplayLinkを採用しているおかげで、この制限を突破。 サブモニターを追加し、必要ならノートPCのディスプレイを合わせて最大4画面まで展開できます。これによって、資料・本文・動画を同時に開けるため、画面切り替え・ウインドウ操作の無駄時間が一気に減りました。 一方で、DisplayLinkはソフトウェアで映像を処理する方式なので、軽い遅延やCPU・メモリ負荷の増加、著作権保護コンテンツが再生できないなどの弱点はあります。ここは正直、折り合いが必要な部分です。 それでも、私のように「作業用メイン」であれば飲み込める条件。「ちょっと古いMacの画面制限がどうにかなれば……」の悩みに解決策を提示してくれていました。