世界一の年金制度はオランダ、日本は52カ国中39位-マーサーCFA
- シンガポールが初めて最上位グループ入り-透明性も向上
- 上位5カ国にはアイスランド、デンマーク、イスラエル-米国は30位
15日公表された最新のマーサーCFAインスティテュート・グローバル年金指数で、シンガポールが初めて最上位グループに入った。首位はオランダが維持した。
最高評価のAを獲得した5カ国にはほかに、アイスランド、デンマーク、イスラエルが入った。マーサーとCFA協会は年金制度の充実度、持続可能性、健全性の3項目で世界52の年金制度を評価している。
今年のランキングでは、米国が30位、英国が12位、日本は39位となった。インドは最低評価のDを付けられ、同じくD評価だったアルゼンチン、フィリピン、トルコを下回った。世界的に年金制度が高く評価されているオーストラリアは、スウェーデンの下の7位へと1ランク後退した。
報告書の主執筆者でマーサーのパートナー、ティム・ジェンキンス氏(シドニー在勤)は、シンガポールは年金制度を着実に強化してきた結果、世界での順位を高めてきたと述べた。近年では、退職後にどの程度の給付を受け取れるかを人々がより理解できるよう、透明性の向上にも重点を置いているという。
報告書の著者らはまた、世界的な不確実性の高まりを背景に、各国政府が年金基金の資金を国家的優先課題に振り向けようとする動きが強まっていると警告した。
CFA協会のプレジデント兼最高経営責任者(CEO)のマーガレット・フランクリン氏は発表資料で「税制から投資義務まで、規制や政府の行動は年金基金の資本配分のあり方に大きな影響を及ぼす」と指摘。
「一部の制度が年金基金に対し国益にかなうとされる投資を促そうとする中で、専門的な投資コミュニティーは、義務や制約によって制度がゆがめられる際に生じ得る意図せざる結果に十分警戒しなければならない」と強調した。
原題:Singapore Joins Top Ranks of World’s Best Retirement Systems(抜粋)
— 取材協力 Matthew Burgess