アメリカ、すべての亡命申請に対して決定停止 トランプ氏は途上国からの移民を「恒久的に停止」と
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アメリカの市民権・移民局(USCIS)のジョセフ・エドロウ局長は28日、首都ワシントンで州兵2人が銃撃された事件を受け、トランプ政権がすべての亡命申請について決定を停止すると発表した。これに先立ちドナルド・トランプ大統領は、アメリカがすべての「第三世界の国々」からの「移民を恒久的に停止する」と表明していた。
エドロウ局長はソーシャルメディア「X」への投稿で、「すべての外国人が可能な限り最大限に審査・確認されると保証できるようになるまで、USCISはすべての亡命申請について決定を停止する」と述べた。USCISは国土安全保障省の一部門。
この発表の数時間前、トランプ大統領は27日深夜、「すべての『第三世界の国々』からのアメリカへの移民を恒久的に停止する」と自分のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。
トランプ氏は同日、首都ワシントンで26日に起きた銃撃事件で負傷した州兵2人のうち1人が死亡したと発表していた。警察は、アフガニスタン出身のラフマヌラ・ラカンワル容疑者(29)を事件の容疑者として拘束している。
BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、USCISの職員はすべての国籍の亡命申請者について、承認や却下などの対応を控えるよう指示された。
CBSが確認した職員への通達によると、職員は亡命申請の処理や審査を決定直前まで進めることはできるが、「決定入力の段階に達したら停止し、保留せよ」と指示されている。
この通達や、「第三世界」からの移民を停止するというトランプ氏の表明については、詳細はほとんど明らかになっていない。
トランプ氏は、どの国が移民停止の対象になるのか明示しなかった。そのような措置は、法的な異議申し立てを受ける可能性があり、すでに複数の国連機関が批判している。
国連は、亡命希望者に関する国際協定を順守するようトランプ政権に求めた。「我々は、アメリカを含むすべての国が、1953年の難民条約に基づく義務を果たすことを期待する」と国連事務総長の副報道官はロイター通信に話した。
政権発足当初から強硬な移民対策を続けてきたトランプ政権は、首都での州兵銃撃事件を受けて、さらに態度を硬化させるものとみられる
トランプ氏は26日の銃撃事件を受けて、「どの国から来たかにかかわらず、ここにいるべきでない」すべての外国人をアメリカから排除すると約束した。
米政府は同日、アフガニスタン人からの移民申請の処理を全て停止。「安全保障と審査手続き」の見直しが終わるまでの措置だと発表した。
さらに27日にUSCISは、19カ国からアメリカに移住した個人に与えられた永住権(グリーンカード)を再審査すると述べた。26日の攻撃との関係は明示しなかった。
BBCがどの国が対象かを尋ねたところ、USCISはホワイトハウスが6月に発表した布告を示した。当時、アメリカへの入国が原則禁止されると発表されたのは、アフガニスタン、ミャンマー、チャド、コンゴ共和国、赤道ギニア、エリトリア、ハイチ、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの計12カ国からの人々だった。再審査がどのような手続きになるのかは、明らかにされていない。
これに加えてトランプ氏は27日深夜に強い表現で、「トゥルース・ソーシャル」に連投。「非市民へのすべての連邦給付と補助金を終了する」と約束した。
大統領は自分の決定によって、多くのアメリカ人の「利益と生活水準」を損なった過去のさまざまな政策から、「アメリカの制度が完全に回復できる」ようになるとも書いた。
トランプ政権はこれまでに、アメリカに不法入国した移民の大規模な国外移送を実施したほか、難民受け入れ数を大幅に削減。加えて、アメリカで生まれたほぼ全員に自動的に市民権を与える「出生地主義」を廃止しようとしている。
大統領としての1期目には、イスラム教徒が住民の多数派を占める複数の国を対象に、別の渡航禁止を実施した。
トランプ大統領はさらに、難民が「アメリカに社会的機能不全」を引き起こしていると非難し、アメリカにとって「純資産でないものは誰でも」排除すると誓った。
トランプ氏は一連の投稿を、「感謝祭の日のあいさつ」として切り出した。その内容は、反移民的な言葉で満ちていた。
トランプ氏は、「ソマリアからの何十万人もの難民が、かつて偉大だったミネソタ州を完全に乗っ取っている」と書き、同州の民主党議員をとりわけ非難した。
続けて、「私は全ての第三世界の国々からの移民を恒久的に停止し、アメリカの制度が完全に回復できるようにする」と書いた。
「第三世界」という表現は、かつて貧しい発展途上国を指すために使われていた用語。
トランプ氏の対応は、アメリカ国内の移民を「スケープゴート化」するものだと、米移民弁護士協会のジェレミー・マキニー会長は主張した。
トランプ氏の最新の投稿より前にBBC番組に出演したマキニー氏は、州兵を銃撃した容疑者の動機は不明だと強調。
「こうした問題は、肌の色や国籍を知らない」、「人が過激化するか、あるいは何らかの精神疾患を抱えるのは、その人がどういう背景を持っていてもあり得ることだ」と、マキニー氏は述べた。