介護施設抜け出したオーストリアの80代修道女3人、元の修道院への復帰認められる ただしSNSは禁止

修道女のレジーナさん、リタさん、ベルナデッテさんは老人ホームから逃げ出し、かつて住んでいた修道院で暮らしている/Angelika Warmuth/Reuters

(CNN) 80代の修道女3人が入居していた介護施設を抜け出し、オーストリアのザルツブルクにあるかつて暮らしていた修道院に戻ってきた時、3人は一躍スターになった。

ほぼすべての主要メディアが3人の姿を報道。10万人のフォロワーを抱えるインスタグラムには、日々の生活ぶりが投稿された。そこでは祈る姿や地域社会との交流を伝える一方、健康維持のためにボクシングに励むといった意外な一面も取り上げられた。

祈りを捧げる修道女たち/Joe Klamar/AFP/Getty Images via CNN Newsource

それから3カ月が経過した現在、地元の教区は修道女のレジーナさん(86)、リタさん(81)、ベルナデッテさん(88)に対し、アルプス山中の修道院兼女子校「シュロス・ゴルデンシュタイン」にとどまることを許可したと発表した。ただし修道女たちには、いくつかの条件に同意することを求めている。

今後修道女たちはソーシャルメディアのアカウントを閉鎖し、より隔離された修道生活に戻らなくてはならない。修道院で介護を受けられなくなった場合に備え、介護施設の待機リストにも登録されることになる。

3人は元の教え子らの力を借りて、修道院に戻ってきた/Joe Klamar/AFP/Getty Images via CNN Newsource

修道院にいる間は、24時間体制の医療介護と司祭による精神的な指導が提供される。修道女3人の上司にあたるマルクス・グラースル主席司祭が、28日に発表した声明でそう述べた。

修道女たちは9月4日、人生の大半を過ごしたシュロス・ゴルデンシュタインに帰ってきた。かつての教え子数人が介護施設からの脱出を手伝い、修道院内に入るための鍵も手配していた。

3人は介護施設に戻ることを拒否している/Angelika Warmuth/Reuters

修道女たちとグラ-スル氏の間では、2年近く対立が続いていた。発端は2023年末、修道女たちが自分たちの意志に反して修道院から退去させられたと主張したことだった。

今年8月、修道女たちがオーストリアの報道機関に対し、グラースル氏とザルツブルク大司教区への複数の告発を行ったことで、争いはさらに激化していた。

一見すると今月28日の上記の提案で対立は解決し、修道女たちは愛する修道院にとどまることができるように思われる。

修道院はザルツブルク近郊にある/Angelika Warmuth/Reuters

しかし示された条件は非常に制限的だと、修道女たちの代理人弁護士は説明。修道女たちに対し、提案の受け入れを勧めるつもりがないことを明らかにした。CNN提携局ORFが報じた。CNNは修道女たちにコメントを求めて連絡を取った。

グラースル氏は声明の中で、修道女たちの支援者に感謝の意を表したが、そうした支援者らの努力はもはや必要ないと述べた。また、これまで修道女たちが受け取った寄付金については、代わりに宣教プロジェクトへ寄付することも可能だとの見方を示唆した。

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