「ジュラ紀」とはどんな時代で、どんな恐竜たちがいたのか

ジュラ紀は温暖湿潤な気候が特徴で、さまざまな動植物が育まれた時代だ。多くの新しい恐竜が出現し、繁栄を極めた。この復元図では、ディモルフォドンという翼竜が、水を飲みに来た植物食恐竜マメンチサウルスの上を飛んでいる。(ILLUSTRATION BY COREYFORD, GETTY IMAGES)

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 ジュラ紀は、約2億130万年前から1億4500万年前にかけての地質時代で、中生代の中期にあたる。

 ジュラ紀という名前の由来は、ドイツの地理学者アレクサンダー・フォン・フンボルトが、フランスとスイスをまたぐジュラ山脈で発見したジュラ石灰岩層だ。この発見を受けて、フランスの科学者アレクサンドル・ブロンニャールが後にジュラ紀という名前を提案した。

 ジュラ紀は前期、中期、後期に区分される。鳥に進化したと考えられている獣脚類など、保存状態の良い化石が大量に残されている。(参考記事:「サハラ砂漠で55トンの恐竜化石を掘り出す方法」

 豊富な化石記録のおかげで、ジュラ紀はシダ、顕花(けんか)植物、針葉樹に覆われた亜熱帯の大地を恐竜が闊歩(かっぽ)していた時代だったことがわかっている。また、陸塊が分裂してできた内海に、巨大な海竜やサメ、真っ赤なプランクトンがあふれていた時代でもあった。

 ここでは、ジュラ紀がどのような時代だったかを紹介する。

ジュラ紀の環境

 ジュラ紀の始まりには、超大陸パンゲアの分裂が加速した。そして、北半球側のローラシアは、さらに北米とユーラシアに分裂した。南半球側のゴンドワナは、ジュラ紀中期までに分裂が始まった。

 ゴンドワナは南極、マダガスカル、インド、オーストラリアからなる東側とアフリカ、南米からなる西側に分かれ、その間に新しい海が流れ込んだ。海底では山が隆起し、その結果、海面が上昇し、海水が大陸に押し寄せた。(参考記事:「地球の海の変遷をたどる、数億年後はどうなる?」

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