令和7年度入学式を挙行しました

本日、日本大学及び同短期大学部、同大学院に御入学された皆様ならびに御家族の皆様、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。 日本武道館で執り行われました令和7年度日本大学入学式の学長式辞と理事長祝辞を掲載いたします。

式辞を述べる大貫学長

令和7年度日本大学入学式  大貫進一郎学長式辞 全文

皆さん、御入学おめでとうございます。そして、日本大学へようこそ。本学の教学部門を代表し、皆さんの日大生としてのスタートをお祝いするとともに、新たに本学の一員となられました学部16,471名、大学院1,403名、短期大学部177名の計18,051名お一人お一人を心から歓迎いたします。 また、オンラインで視聴されている保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。私たち教職員は、学生一人一人に親身になって向き合うとともに、日本最大規模というスケールをデータの強みへと発展させてデータ駆動型教育を推し進めながら、お子様の成長を支えて参ります。どうぞ安心してお預けいただけましたら幸いです。 さて、皆さんは日本大学にどのような印象をもって入学されたでしょうか。昨年度の学部・短期大学部の1年生への調査では、「自分が学びたい学問分野が学べる」が最も多く、回答者の4割を超えていました。本学は16学部86学科、一般的な分類でいうところの文系・理系そして医歯薬系のあらゆる学問分野が共存する総合大学で、正に「学べない学問はほぼない」というのが大きな特徴の一つです。各学部・学科では、皆さんの「夢」の実現や「学びたい」という想いに応えるプログラムが展開されています。また、「日本大学ワールド・カフェ」をはじめ、学部・学科を横断した全学的な取り組みも行っており、多様な価値観や発想に触れることもできます。 高等学校までは「生徒」と称され、どちらかといえば受け身の学びが中心でしたが、ここから皆さんは「学生」です。私たち教職員はガイドやサポートの役目をしっかり果たしていきますが、最終的には皆さんの主体的かつ能動的な学びの姿勢が最も重要になります。そこで皆さんに意識していただきたいのが、本学の教育理念である「自主創造」、そして「自ら学ぶ」「自ら考える」「自ら道をひらく」という3つの構成要素です。全てについて細かくお話する時間はありませんので、ここでは「道をひらく」に絞ってお話したいと思います。 本学には、様々な挑戦を行ってきた先達がたくさんいます。学祖である山田顕義先生は、正にその一人です。学祖は岩倉使節団の一員として欧米を視察されました。そして帰国後、欧米の法制度をただ模倣するのではなく、日本の文化に根ざした法律作り、そしてその人材育成に従事されましたが、これは当時の社会にはなかった視点です。現代社会では、これまでにないサービスや製品等によって新しい価値を創出する「イノベーション人材」が求められており、アルファベットになぞらえて「H型人材」とも称されます。イノベーションの実現に当たっては幅広な「知」と柔軟さが必要で、自身の専門分野における探求だけでなく、教養教育系の科目群で学ぶリベラルアーツをぜひ大切にしていただきたいと思います。大学では、単に覚えるという作業を超えて、得た知見を有機的に結び付けながら豊かな知のネットワークを構築するということが重要です。そのネットワークを繋いでくれるのがリベラルアーツであると私は考えています。ただ、「自ら道をひらく」ためには、その修得した「知」あるいは「経験」をベースとして、さらにもう一歩進み、様々な挑戦をしていただきたいのです。 日本大学は、現在、DXすなわちDigital Transformationの様々な挑戦を行っており、皆さんの学びをデジタル技術で支える取り組みを進めています。その中で、私たちと産学連携を進めていただいている企業の一つがGoogle社です。Googleの創業者の一人であるLarry Page(ラリー・ペイジ)氏は次のように語っています。 “It's very difficult to fail completely. If you aim high enough, you'll land somewhere pretty good.” 挑戦には失敗がつきものかもしれません。そして、失敗を想像するあまり、一歩目を踏み出すことを躊躇してしまうかもしれません。しかし、Page氏がいうように、何も得ることのない完全な失敗というのはまずありませんし、仮に失敗をしても丁寧に省察をし、新たな目標に向かって一歩一歩進んでいけば、最終的には最良の結果にたどり着けると私も信じています。 最後に、皆さんはfatum(ファトゥム)というラテン語を御存知でしょうか。ゲームなどでもよく使われる英語のfate(フェイト)やその形容詞のfatal(フェイタル)、また文学などで使われるフランス語の形容詞のfatal(ファタール)の語源となるものです。人間の力では抗えない運命や宿命を意味する言葉ですので、受け止め方によっては、自分の限界を自分で決め、前向きな努力をしない言い訳にされるかもしれません。しかし、皆さんのポテンシャルは無限です。そして、先にも述べたとおり、皆さんが学ぶキャンパスは、一人一人の「夢」をカタチにできる舞台です。これまでの人生で、もし、いくらかの後悔を経験されたとしても、それらを照らせる舞台となることは、約130万人の卒業生が証明してくれています。その意味で、本学に入学したことを、またこれから共に過ごす師や仲間を、巡り合うべくして巡り合ったfatal(ファタール)な出会いであると常にポジティブに捉えていただき、自信を持ってキャンパスライフを送っていただければと思います。 新入生の皆さん一人一人のこれからの飛躍と成長を祈念し、新たなスタートに当たっての私からの式辞といたします。 令和7年4月8日 日本大学学長 日本大学短期大学部学長

大貫 進一郎

祝辞を述べる林理事長

令和7年度日本大学入学式  林真理子理事長祝辞 全文

新入生の皆さん、御両親ならびに保護者の皆様、本日は御入学、誠におめでとうございます。学校法人日本大学理事長として、心からお祝い申し上げます。 桜の舞うこの美しい日に、皆さんをここでお迎えできたことは本当にうれしいことです。皆さんが受験勉強に励んでいるように、私たちも日本大学再生に向けて様々な努力をして参りました。 おかげ様で、昨年度、大学基準協会による大学認証評価において、大学基準に適合しているとの認定を受けました。また、昨年度減少した入学志願者数も増やすことができ、「日大の底力」と書いてくださったメディアもありました。まだ、問題は残り、満点というわけにはいきませんが、努力賞はいただけそうです。 さて、作家の沢木耕太郎さんの『世界は「使われなかった人生」であふれている』というタイトルのエッセイがあります。私は、この言葉に深く心を打たれました。沢木さんは、「世の中には選択しなかった別の人生が存在している。」と使われましたが、私は別のふうに解釈しました。自分の才能や能力に気付かず、そのままにしているというのは、なんと、もったいないことでしょう。 皆さんは、これから、自分の力で思い切り人生の容積を拡げてください。勘違いはしてもいいのです。そして次は、それを全力で使いきるように生きてほしいのです。 これからの日本大学は、あなた方の人生の容積を拡げるための手伝いをいくらでもしていきます。 たくさんの先生方、友達、100万を超える卒業生があなた方を待っています。 本日は、誠におめでとうございました。 令和7年4月8日 学校法人日本大学理事長

林 真理子    

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