日産「新型エルグランド」に賛否両論!「売れると思います」「これは厳しいね」と様々な声! でも強敵「アル/ヴェル」に無い魅力もアリ! どう評価する?
この傾向、どのメディアも同じ。デザインに対するネガティブな評価無し。クルマそのものも全面肯定ばかりです。
一方、私(国沢光宏)が属するジャーナリスト団体(AJAJ)が主催したガイドツアーで私の回に参加してくれた30人に聞いてみたところ、ポジティブな評価をした人は見事に居なかった。
同業者に聞いてもポジティブな人は皆無。皆さん「やっちまったなぁ」。
新型エルグランド、果たしてどう評価すべきなのか。
答えは1年後にハッキリ出る。売れるか売れないかは市場が決めること。
売れれば日産のチョイスとメディアの評価が正しかったし、私に代表される「厳しい」という人の予想は外れたことになる。
ちなみに日産の人に話を聞くと、広報筋は「売れると思います」と「もう少しなんとかならなかったのか?」が半分ずつ。
新型エルグランド以外の開発関係は「この時期なのであんな冒険をしなくてもよかったと思う」と言う。
日産を離れた人は「まだあんなクルマ作りをやっていることに驚きます。新型エルグランドを手がけたデザイナーがすでに英国にいることをみても日産社内での危機感は大きいんだと思います」とのこと。
日産以外でクルマ関係の仕事をしている人100人くらい(他メーカーや関連産業など)に新型エルグランドの印象を聞いてみたが、やはり「成功しますね」という人には出会わなかった。
新型エルグランドの評価、厳しいばっかりなのだろうか。
私の“X”で新型エルグランドについて「業界の人のほとんどが“これは厳しいね”とつぶやきながら通り過ぎています」という書き込みをしたところ、430万件くらいのアクセスがあった。
600万円以上と予想される新型エルグランドのユーザー層だと思えない人がコメントの多数を占めるだろうけれど、ポジティブな反応もけっこうあった。
代表意見は「アル/ヴェルのヤンキーなスタイルと違って好ましい」である。
520件くらいあるコメントで新型エルグランドにポジティブな人の大半は、「評論家が売れないと言っているから売れる」とか「トヨタ贔屓の戯れ言」といった、私に対するマイナス評価の延長なんですが(笑)。
また価格が300万円くらいだと思っているめでたい人も少なからずいる。
国沢光宏はどうかといえば、もう瞬時も迷わず「低迷している時期に出すようなクルマじゃありませんね!」と思う。
日産に余裕あれば、誰も居ないところにボールを投げてもいい。
確かにアル/ヴェル嫌いの人もいるだろうし、新しいエルグランドのデザインを好む人もいると思う。アル/ヴェルより背が高いため、大きく立派にも見える。
1.5リッターターボの最新版「第三世代e-POWER」がもたらす走りや、前後輪のモーターを細密にコントロールして上質な乗り心地を作る技術だってあるだろう。
されど現在の日産の状況を考えると、長打やホームラン狙いでは無く、シングルヒットでいいから得点するべきだと考える。
良いデザイナーがTOPにいるNISMOバージョンを最初から用意するくらいのことをしてもよかったんじゃなかろうか。
参考までに書いておくと、新型エルグランドは基本的に日本仕様のみ。
クルマのコストは作る台数で決まる。エルグランドくらいの台数だと割高になるが、かといってコストダウンすると質感を落とすことになる。
果たして日産はどの程度のクオリティを実現出来るだろうか。
発売を楽しみにしています。