ハジャー「本当に鬱陶しい」初のQ1敗退を経てサインツを非難、一方で”その実態”は… / F1イタリアGP《予選》2025
2025年F1第16戦イタリアGP予選でキャリア初のQ1敗退を喫したアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)は、この日の結果についてカルロス・サインツ(ウィリアムズ)のせいだと批判した。
キャリア初表彰台のわずか1週間後に待っていたのは、Q1敗退の屈辱だった。セッション中にはサインツの行為に対する誤解があり、これが苛立ちと不満につながった。さらに、決勝を最後尾からスタートする予定であったことが、精神面に悪影響を与えた。
サインツが煽り運転?「アウトラップが台無し」
ハジャーの苛立ちの矛先は、リアム・ローソンのみに新型フロアが与えられたことではなく、Q1最終盤のアタックラップ前の出来事に向けられていた。2台はピットレーンをほぼ同時に出たが、ガレージの位置関係上、サインツがハジャーの前に入り込み、直後に前を譲る形となった。
しかしながらサインツはその後もハジャーの背後にピッタリと張り付くように走り続けた。いわゆる「煽り運転」のような状況を受けハジャーは「なんでサインツはあんなに鬱陶しいんだ?あいつはいったいアウトラップで何してるんだ?」と苛立ちを隠さなかった。
セッション後のインタビューでも「本当に鬱陶しかった。アタックするわけでもないのに、なんであんなに必至にポジション争いをしてたんだ? おかげでアウトラップが台無しになってしまい、結局僕はミスをしてしまった。」と繰り返した。
サインツの事情、実際に起きていたのは…
だが実際には、サインツはハジャーを煽っていたわけではなく、1周のプレップラップを挟んでのアタックを計画していたため、アタックラップに向けてハジャーより1周多く走らなければならず、制限時間の関係からエンジニアから急かされていたようだ。
一方、ハジャーはサインツを前に行かせまいと無理にペースを維持し、結局アタック直前でサインツを先行させた。その結果、アウトラップを通して適切にタイヤを準備できず、セクター2でタイムを失い、Q2進出を逃すことになった。
最後尾スタートがもたらした心理的影響
ハジャーのQ1敗退の原因はもう一つある。詳細は明らかではないが、レーシング・ブルズは決勝を前にハジャーのパワーユニット(PU)を交換する計画を立てている可能性があり、それがハジャーの集中力を削いだようだ。
「最後尾スタートだと分かっていながら予選に臨むのは嫌なんだ。それが敗退の原因になった」とハジャーは語り、「明日は最後尾スタートだから、すごく長いレースになると思う」と付け加えた。
ハジャーはすでにエキゾーストを除く全てのPUコンポーネントが年間の割り当て上限に達している。つまり、あと一つ新品を交換すればグリッド降格ペナルティが科される状況だ。
注目の若手がモンツァで経験した初めてのQ1敗退は、誤解やチーム事情、そして心理面が複雑に絡み合った結果だった。
2025年F1イタリアGP予選では、マックス・フェルスタッペンがマクラーレン勢を僅差で退けポールポジションを獲得する結果となった。
決勝レースは日本時間9月7日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。