【インタビュー】篠山竜青×髙田真希が語る“最新”男子代表…「新システム導入でチームがバージョンアップ」
12時間前
ABEMAで日本代表戦の解説を務めた篠山竜青と髙田真希 [写真]=鷹羽康博
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ToggleFIBAアジアカップ2025で、男子日本代表は初戦でシリア代表に勝利を収めた。新しいチーム作りの第一歩として注目される今大会。バスケットボールキングでは、元日本代表の篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)と女子日本代表キャプテンの髙田真希(デンソーアイリス)によるABEMA解説コンビに、大会の印象や注目選手について話を聞いた。
インタビュー・文=入江美紀雄 写真=鷹羽康博
取材協力=ABEMA
※インタビューは8月8日 FIBAアジアカップ2025 日本代表vsイラン代表の直前に実施
■「タグアップ」導入など戦術も進化
――初戦のシリア戦を見ての率直な感想をお願いします。 篠山 前半は少しバタつきましたが、後半はしっかり爆発できた。それがトム(ホーバスヘッドコーチ)さんのバスケットの大きな魅力の一つですし、このメンバーでもできると分かったのは良かったです。
髙田 出だしは富永(啓生)選手が積極的にシュートを打って決め、8−0の展開で進められたのは良かったと思います。ただ、シュートが入らない時間帯に相手にブレイクを許すなど、ミスからの失点が多かった。そうした時間帯へのアジャストは必要だと感じました。
男子日本代表の“進化”を語る篠山と髙田 [写真]=鷹羽康博
――篠山選手は新しいシステムの導入を感じたそうですね。 篠山 世代交代は必要ですし、今回は「タグアップ」を意識しているように見えました。オフェンスリバウンドに前がかりに行き、取られた場合はそのままマッチアップに移行するディフェンスの戦術です。ただ、相手選手のピックアップを間違えるなど質が下がると速攻を受けやすいので、リスクもある。イラン戦でも同じ形を続けるのか、それとも戻すのか。いずれにしてもチームとしてのバージョンアップを感じました。
髙田 女子もパリオリンピックのころからタグアップを取り入れています。ディフェンスを前から仕掛けられる点は共通していて、男子も同じ意識で取り組んでいるのではと思います。
■経験者と若手の融合、注目選手
――初めてアジアカップに出る選手も多い中で、経験者との融合をどう見ますか。 髙田 経験者と若手の大きな違いは、40分間集中できるかどうかです。やるべきことをおろそかにすると、そういう場面に限って相手に得点されてしまう。信頼が薄いと交代にもつながります。
――注目選手は? 篠山 テーブス(海)選手です。アルバルク東京では遂行力を求められる環境で活躍してきましたが、トムさんのバスケットに適応する中で、スコア面への意識も高めているように見えます。判断の迷いや遅れもありますが、それも成長過程の一部。今は“もがき”の時期で、その姿を応援したいですね。
篠山はテーブスの得点面での活躍に注目 [写真]=fiba.basketball
髙田 私は吉井(裕鷹)選手です。安定感があり、トムさん就任以来ずっと起用されています。合宿では富樫(勇樹)選手や馬場(雄大)選手が不在の中でリーダーシップを発揮し、自覚も芽生えていると感じました。それがプレーにも表れています。
髙田選手は吉井のリーダーシップに期待 [写真]=fiba.basketball
――代表のキャプテンとして意識していたことは? 篠山 結果がどうであれ次の試合は来ます。批判があっても代表のユニフォームを着られるのは自分たちだけという意識で、常に前向きに臨んでいました。
髙田 雰囲気が悪くなると誰も発言しなくなるので、練習中から声をかけて盛り上げることを意識しています。ハドルを組むときも「切り替えて元気にやっていこう」と声を掛けます。
篠山 言葉にしないと伝わらないですし、代表はリーダーシップや主体性を持った選手が多い中で、ムードメーカーの役割は重要だと思います。
――以前もお聞きしましたが、今でも代表復帰を目指していますか? その気持ちは今も変わりませんか。 篠山 引退していない限り、代表は常に憧れの場所であり、行ってみたい場所です。出場試合数と解説試合数が追いついてきましたが(笑)、逆転しないよう頑張ります。