開業30年超の志摩スペイン村、「ポケモン」や人気Vチューバーとのコラボで再び脚光

 開業30年を超えた三重県志摩市の複合リゾート施設「志摩スペイン村」が好調だ。コロナ禍で集客が落ち込んだが、話題のゲームやVチューバーとコラボし、「スペイン」の枠を超えた人気となっている。春のイベント「スプリング フィエスタ」が始まり、キャラクターミュージカルやフラメンコショーなどがリニューアルされた。伊勢志摩地域の観光拠点施設として、スペイン村が再び脚光を浴びている。(新良雅司)

本場スペインの臨場感を楽しめるフラメンコショー

 開業30周年となった2024年度は、1月末までに前年度を7万人余り上回る約124万人が来場した。スペイン村の運営会社は、この勢いを継続したい考えだ。

 5年ぶりに刷新したミュージカル「ドンキホーテのグラン・ガラ・デ・オペラ~帰ってきたテアトロ・ラ・マンチャ~」は「スペインを舞台にしたオペラ」がテーマ。モーツァルトやロッシーニの名曲をポップにアレンジした音楽が流れる。きらびやかな衣装やダンスも見どころだ。

 スペイン人ダンサーによる新フラメンコショー「カンデラ」は、舞台芸術の世界で高い評価を得ているダニエル・ドーニャが演出を担当。近代スペインを代表する作曲家マヌエル・デ・ファリャが作曲したバレエ作品「恋は魔術師」から着想を得たフラメンコで、「古い慣習」と「自由な恋愛」のはざまで葛藤する若者たちの苦悩を描く。

5年ぶりに刷新されたキャラクターミュージカル(三重県志摩市で)

 屋内型の新アトラクション「アリス イン ダークランド」は、これまでの魔法体験アトラクション「不思議の国のアリス」を18年ぶりに刷新した。さらわれたアリスの飼い猫を救うため、ハート形の魔法の 杖(つえ) を手にダークランドを歩いて冒険し、支配者の女王に立ち向かう。

 影山豊社長は「開業31年の今年もにぎやかな内容になっているので、ぜひ楽しんでもらいたい」と来場を呼びかけている。「スプリング フィエスタ」は4月6日まで。

新たな客層獲得へ、ヤバイTシャツ屋さんの貸し切りライブなど

 志摩スペイン村は1994年4月にオープン。初年度は388万6500人が訪れたが、徐々に減少し、開業25周年の2019年度には118万8000人になった。新型コロナウイルスが猛威を振るった20年度は74万5000人に落ち込んだ。

 開業30周年の昨年は、人気Vチューバーの 周央(すおう) サンゴさんと 壱百(ひゃく)満天原(まんてんばら) サロメさん、ロックバンド「ヤバイTシャツ屋さん」、人気ゲーム「ポケットモンスター」とコラボした企画を次々と打ち出し、新たな客層を獲得してきた。今後も、「ヤバイTシャツ屋さん」の貸し切りライブ(5月10、11日)など、様々な企画を予定している。問い合わせは志摩スペイン村(0599・57・3333)。

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