自分の国の政府がVPNアクセスをブロックした場合どうすればよいのか?

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国レベルでアクセスが規制されているウェブサイトにアクセスする手段として「VPNを使う」というものがあります。しかし、時にはVPNによる規制回避すらブロックされることもあります。大規模な抗議活動が勃発したインドネシアではX(旧Twitter)やDiscordへのVPNを介したアクセスもブロックされたとのことで、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsには厳重なブロックをさらに回避するための情報が多数寄せられています。

Ask HN: The government of my country blocked VPN access. What should I use? | Hacker News

https://news.ycombinator.com/item?id=45054260

2020年代初頭にVPN企業で検閲回避に取り組んでいたという_verandaguy氏は、VPNやTorといった検閲回避システムと同時に、VPNやTorの使用実態そのものを隠すことができる難読化レイヤーの導入を推奨しています。特にオススメのツールはTorの利用実態を隠せる「obfs4」とのこと。obfs4の詳細は以下のリンク先にまとまっています。

Tor Project | Bridge

https://community.torproject.org/relay/setup/bridge/

非営利団体のOperator Foundationが開発する「Shapeshifter」も難読化レイヤーとして有用です。

GitHub - OperatorFoundation/shapeshifter-dispatcher: Shapeshifter Dispatcher converts Pluggable Transports that implement the Go API from the Pluggable Transports 2.1 specification into proxies usable by applications. Several proxy modes are provided, including proxying of both TCP and UDP traffic.

https://github.com/OperatorFoundation/shapeshifter-dispatcher

また、_verandaguy氏は「信頼できる有能なVPN企業」としてMullvadを推奨しています。_verandaguy氏が働いていたVPN企業でもMullvadのアプローチを参考にすることが多かったそうです。

Mullvad VPN - インターネットを自由に

https://mullvad.net/ja

中国に住んでいたというjoshryandavis氏は「商用サービスはいずれブロックされる運命にある」と主張し、AWSのEC2の無料枠を活用して自分でSOCKS5のプロキシサーバーを建てるこをオススメしています。また、中国ではGitHubへのアクセスがブロックされておらず、中国の有志たちが集めた情報がGitHub上で大量に公開されているそうです。

nine_k氏は中国でも依然として効果を発揮している検閲回避技術として「XRay」や「VLESS」を挙げています。サーバーを用意してXRayを用いた検閲回避を実行するまでの流れは、以下のリンク先で解説されています。

Xray REALITY tutorial | cscot

https://cscot.pages.dev/2023/03/02/Xray-REALITY-tutorial/

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