パリ五輪10番がA代表初招集! 先を行く同世代に斉藤光毅「選ばれたくてずっとやってきた」

MF斉藤光毅(QPR)

 元来のテクニックやスピードに加え、イングランドの舞台でタフさも兼ね備えてきたアタッカーがついに日本代表に辿り着いた。パリ五輪で10番を背負ったMF斉藤光毅(QPR)は今回の10月シリーズでA代表初招集。パラグアイ、ブラジルとの2試合に向けて「ずっと選ばれたかった。やっと選んでもらえたので、活躍して爪痕を残したい」と意気込みを語った。  2001年生まれの斉藤は横浜FCアカデミー育ちのアタッカー。17年のU-17W杯(負傷のため参加を辞退)、19年のU-20W杯でメンバー入りを果たすと、21年からベルギーのロンメルに完全移籍し、海外挑戦をスタートさせた。その後は22年夏から2年間にわたってオランダのスパルタ・ロッテルダムでプレーし、昨季はQPRに期限付き移籍。今季からは完全移籍となり、タフなチャンピオンシップの舞台を戦っている。

 今回の活動では左足首に負傷を抱える三笘薫(ブライトン)の招集が見送られ、斉藤はMF中村敬斗やMF相馬勇紀とともに代役争いに食い込んだ形。森保一監督によると、同じく三笘不在の6月シリーズでも招集候補に名前が挙がっていたようだが、負傷のため選出は実現せず、今季のQPRでの6試合1ゴールの活躍を受けて待望の抜擢に至った。

 森保監督は2日のメンバー発表会見で「相手ゴールに向かって仕掛けていく部分、個で、チームで連係してというところで彼のアイデアを出してもらえれば」と斉藤の攻撃面に期待。さらに三笘やMF伊東純也らの名前を挙げて「攻撃の選手が上下動してハードワークして守備もするところを今の代表の選手は見せてくれているので、彼も攻撃でも守備でも貢献していくところを確認させてもらえれば」と話しており、ウイングバックでの起用も予想される。  所属先では左サイドハーフでの起用が続いている斉藤だが、ウイングバックにも「やることは変わらない。しっかりハードワークして自分の良さを出せれば」と自信を示す。「どんどんまず仕掛けたい。わかりやすいのが仕掛けだと思うのでそこを出していきながら、他の選手との距離感を大事にして崩していけたら」とイメージを膨らませた。  パリ五輪メンバーからは12人目のA代表入り。また共に世代別代表でプレーしていた久保建英、伊藤洋輝、菅原由勢、中村敬斗、鈴木彩艶はすでに欧州5大リーグに羽ばたいており、「同世代の刺激もあったし、他の選手が世界トップトップで活躍しているのを見て危機感も感じていた」という。  だからこそ、生き残りに向けた思いは強い。「選ばれたくてずっとやってきたので、やっとスタートライン。選ばれてゴールじゃないのでそこで活躍したい」。来年夏に控える北中米W杯に向けて「もちろん自分も目指したいし、そのためにも今回選んでもらえて爪痕を残せたら」と決意を語った。  オランダで過ごした2年間、イングランドで過ごした1年間の成長を示せる絶好のチャンスとなる。「チャンピオンシップはめちゃくちゃハードでタフなので、そこの強度はどのリーグにも負けていないと思う。そこでやっている自信もあるので出していければ。またオランダではコンビネーション、仕掛けもより求められていたので、そこをうまく合わせていければ」。自身のバックグラウンドをピッチ上で表現するつもりだ。  なお、日本が今回の2連戦の初戦で戦うパラグアイは奇しくも、昨年夏のパリ五輪で激しく削られながらも2アシストを記録した相手。「ラフプレーにはもう慣れているので(笑)、そこは負けずに勝つ気持ちでやりたい。チームも違うし状況も違うので、1年前と比べてもっと成長した姿を見せたいし、見せていかないといけない」。限られたチャンスで結果を出せるか。 (取材・文 竹内達也)●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中

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