最大200兆ドル規模になる可能性、セイラー氏のBTC財務戦略が『ハイパービットコイン化』の先駆けに=アダム・バック氏見解
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ブロックチェーンのインフラ開発を行うBlockstream社の創設者アダム・バック氏は26日、ストラテジー社などビットコイン(BTC)財務戦略を採用する企業の動きは、ハイパービットコイン化の先駆けになっていると述べた。
一方で、企業によるビットコイン寡占に対する懸念を指摘する声も上がっている。
ハイパービットコイン化とは、ビットコインが主流となる未来について言及する文脈で使われる言葉だ。法定通貨に対する人々の信頼が失われ、ビットコインが主要な価値保存手段、交換手段、会計単位として採用されるシナリオのことである。
バック氏は、ストラテジー社などの企業は、「将来のビットコインの価値と今日の法定通貨の価値との間の乖離を利用した裁定取引を行っている」と表現した。ビットコインの価値が今後も上昇し続けることを前提とする形だ。
また、ビットコイン市場はほとんどの大手上場企業がBTCを財務資産として持てるほどのスケーラビリティ(拡張性)を備えているとも意見している。企業による100〜200兆ドル規模の取引が見込めるとも独自見解を披露した。
さらに、こうした裁定取引は持続可能だが、永遠に続くわけではないと補足した。ビットコイン財務戦略を成立させているのは、ビットコイン価格が4年ごとの半減期サイクルを持ち、金利やインフレ率よりも速く上昇していることだとしている。
ハイパービットコイン化(ビットコイン主流化)が完了した後には、ビットコイン価値がそのように上昇していくことはなくなるだろうと見解を述べた。
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ストラテジー社がBTC供給をコントロールするリスク
一方で、ストラテジー社など企業によるビットコイン蓄積については、批判的な見方もある。
ビットコインについての著作で知られるアダム・リビングストン氏は27日、ストラテジー社がビットコインを購入することでその供給量を抑制しており、将来的にビットコインの資本コストを決定する力を持つようになると意見した。
同氏は、実際のビットコイン供給量は、新規採掘ビットコインからマイクロストラテジーが購入する分を引き算した式で表現されると述べる。
ストラテジー社は過去182日間で379,800BTCを蓄積しており、これは1日あたりで2,087BTCにあたると指摘。また、2024年の半減期後、マイナーは毎月約13,500BTCを採掘していると概算した。
同社が、マイニングにより生産・供給される量よりも、速いペースでビットコインを吸収していると続けている。昨日、新たに15,355 BTCのビットコインを買い増ししたと発表したばかりだった。
こうした蓄積が進むと、ビットコインの希少性が上昇し、一般的にビットコインへのアクセスにはプレミアムを支払う必要が生じると論じた。
ビットコインを担保にした融資は、さらにコストがかかるものとなり、ビットコインの借り入れは、国家や大企業だけが利用できる贅沢なビジネスになるだろうと予想する格好だ。
ビットコインの世界的な資本コストが、もはや「市場」によって決まらず、ストラテジー社の動向によって左右されてしまうとの懸念を表明している。
企業によるビットコイン寡占については、こうした批判的な見方と楽観的な見方で意見が分かれているところだ。
楽観的な見方として、『ビットコインスタンダード』の著者サイファディーン・アモウズ氏は、たとえストラテジー社がビットコイン供給量の約5割を保有したとしても、深刻な脅威にはならないだろうと意見した。
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