量子テクノロジーで超高性能量子デバイス開発へ!【眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話】
これまでレーザーやトランジスタ、MRIなど量子力学のふしぎが活躍している物を紹介してきましたが、ここからは現在研究されている次世代の量子テクノロジーについてちょっとだけ紹介したいと思います。
量子力学を少し勉強していくと、さまざまな「ふしぎ」に出会うことがあります。でも、これはわたしたちにとってふしぎなだけで、量子の世界では当然のことなのです。
たとえば、物質(光や電気)に現れる「粒子と波の二重性」などはよく知られている量子のふしぎです。それ以外にも「量子重ね合わせ」「量子もつれ」「量子トンネリング」「不確定性原理」「量子テレポーテーション」など、わたしたちの想像を超えた物理現象があったり、時には「そんなのありえない……」と思うような量子のふしぎが数多くあります。
量子テクノロジーでは、すでに世の中にあるデバイス(パソコンやスマホ、タブレットなどの端末)や装置とこのような量子の「ふしぎ」をくっつけることによって、いまあるデバイスを圧倒的にぶっちぎった精度や速さ、新機能を持つ新しい量子デバイスをつくることをめざしています。
そんな能力を持つ量子テクノロジーは大まかに4つに分類することができます。以下ではこれらの量子テクノロジーの4例を見てみましょう。
量子テクノロジーの4例
- 量子計測・量子センサー 頭抜けた高精度の測定
- 量子通信 とてつもない安全性を持った通信
- 量子シミュレーション 新素材・新物質などを予測
- 量子コンピュータ かつてない計算量
量子計測・量子センサー
量子シミュレーション
量子通信
量子コンピュータ
量子テクノロジーって、量子力学の世界に現れる「ふしぎ」や「奇妙」ともいえる性質を、さまざまなテクノロジーに応用することなんだね。ここで紹介したふしぎ以外にも、「トンネル効果」「量子暗号」「量子イメージング(撮像)」などがあって、その実用技術に期待が持てるわけ。いままで科学者の中だけで使われていたものが、世界を変えていくかもしれないような新しい分野だよ。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話』著:久富隆佑、やまざき れきしゅう
【書誌情報】 『眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話』
著:久富隆佑、やまざき れきしゅう